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今回お譲りいただいた中には、『復員引揚の皆様への栞』(香川県厚生課・同胞援護会香川県支部)、『復員の手引』(舞鶴上陸地支局)など、大東亜戦争から帰還した復員者に配布された貴重な冊子や書類などがございました!
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戦後50年と言われた時代からはや20年以上も経過し、今年で戦後72年という歳月が流れました。
兵士として戦地に赴き、或いは銃後を護った世代も90代以上の御高齢となり、今やなかなか当時の話を伺うのも難しい時代となりつつあります。
仙花紙といわれた粗悪な洋紙に印刷された案内の数々はかなり興味深いものばかり。
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『復員の手引』に目を落としてみますと、
【皆様長い間ほんとうに御苦労様でした。幾多の苦難を突破して今日祖国日本への期間が実現しまして皆様の御喜びは如何ばかりでせう。私達も心から御喜び致します。又御留守宅ではどんなに御待ちでせう】
とあり、このやさしい言い回しに胸を打たれる思いがいたします。
【後一両日であこがれの内地に到着されますが終戦後祖国は明朗に又健全に復興を続けております。どうかご安心下さい】
とあるので、復員船に乗船した際に配布されたものであろうことが推測でき、また実際の日本の状況とは異なる「明朗」「健全」「復興」などの希望の言葉が散りばめられてあるのが引っ掛かります。
他に貴重な記載として、復員者の支援がどこでどのように行われていたかが明確に記されており、「元陸軍省が復員局になった」「厚生省の中に引揚援護院が開設されていた」などなど、とても勉強になります!
また「未だに帰らない人々の消息を教えてください」「帰郷されたら」などの解説がされておりますが、私が注目したのは「身分処理について」という部分。
【軍籍にあったからとて  内地に帰還してから労役に服したり、戦争犯罪者に問われたりすることは決してありません。安心して家庭に帰れます。】
とあります。終戦後に多くの噂が飛び交い、戦犯として処分されるのではないかと軍籍のあった方々や文化人の方々まで心配されたということを耳にしたことがあります。それにしても、生々しく当時の様子が伝わってきますね。

また香川県で発行された『復員引揚の皆様への栞』には、
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【皆様を迎へる日本の国状は予想以上に荒廃して居ります(略)】と記されてあります。

これらを踏まえ、復員の流れとしては
《外地で復員船に乗船》→《舞鶴港・函館港に到着》→《予防接種やDDTを受ける》→《日本に上陸》→《復員連絡所》→《帰宅》
となっていたようです。

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買取をさせていただいた中には、日本に上陸するにあたって受けた予防接種の證明書も含まれておりました。現在の日本では耳にすることはありませんが、当時としては身近な恐ろしい病気であった「コレラ」や「腸チブス」(チフスに非ず)などが記されております。

本当に戦争とは大変なことなんだなぁとつくづく感じられる貴重な資料ありがとうございました!

このようなことを書いていると、耳の奥底から田端義夫さんの「かえり船」が聴こえてくるようです。

byこばちゃん

 


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