黄檗山萬福寺の絵葉書です🍵

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不安定な天気ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

今回このような絵葉書が入荷しましたので、ご紹介いたします。

「黄檗山萬福寺発行 黄檗山境内絵葉書」とあります。

黄檗山 絵葉書

黄檗山 絵葉書
黄檗山 絵葉書
黄檗山 絵葉書

黄檗山 絵葉書

黄檗山 絵葉書

以下、黄檗宗大本山萬福寺HPを参考にし、黄檗宗や萬福寺について簡単にご紹介します。

黄檗山萬福寺は1661年に隠元隆琦(いんげんりゅうき)禅師によって開かれました。彼は中国明代末期の臨済宗を代表する費隠通容(ひいんつうよう)禅師の法を受け継いでおり、日本からの招請に応え渡来、宇治に禅寺を建てました。それが黄檗山萬福寺です。(萬福寺HP「萬福寺と黄檗宗」「宗祖 隠元禅師」)

今手元にある絵葉書は境内の様子を写したものですが、黄檗山の建造物は中国の明朝様式を取り入れた伽藍配置であるとのことです。萬福寺HPの「明朝様式の伽藍建築と黄檗文化」には「「卍字くずし」のデザインによる勾欄、「黄檗天井」と呼ばれるアーチ形の天井、円形の窓、扉に彫られた「桃符」と呼ばれる桃の実形の飾りなど、日本の他の寺院ではあまり見かけないデザインや技法が多用されているのが特徴的」とあります。
創建当時のままに、中国の明朝様式を伝えている貴重なお寺なのですね。桃の飾りや円形の窓など、確かに他のお寺では見かけないです。

以下の「大雄寶殿(だいおうほうでん)」は萬福寺の本堂ですが、日本では唯一最大のチーク材を使った歴史的建造物とのことです。

黄檗山 絵葉書

この絵葉書にも見えます上層の額「大雄寶殿」は隠元書。ずっと残っているのだなあということに改めて驚きました。

黄檗宗では法式やお経も中国で行われていたものを継承しており、お経も唐音で読まれるとのことです。萬福寺HP「梵唄(ぼんばい)」には「たとえば一般的によく詠まれる般若心経でいうと「まかはんにゃはらみたしんぎょう・・・」と唱えるところが「ポゼポロミトシンキン・・・」という具合になります。」とあります。
これは聴いてみたい…!

ですので以下の「法堂」も「はっとう」と読みます。

黄檗山 絵葉書説法を行う場所とのことです。

また萬福寺HPを見ていて気になったのですが、お寺では精進料理も食べられるとのことです。普茶料理(ふちゃりょうり)という隠元が中国から伝えた精進料理を予約すれば食すことができ(食事も修行の一つ)、そのメニュー「菜単(ツァイタン)」は「筝羹(シュンカン)」「麻腐(マフ)」「浸菜(シンツァイ)」…とあります。名前からして中国文化のかおりを感じます。

日本史で「黄檗宗」について習った時には意識しませんでしたが、以上のように見てきて、黄檗宗は中国的特徴を色濃く残しているということがよくわかりました。

そしてそのような黄檗宗の日本文化への影響も大きなものがあります。
インゲンマメを隠元が日本に持ち込んだことは有名ですが、それに加え中国で一般的だった釜炒り茶も伝えています。(以下、煎茶堂東京の読み物「黄檗宗の僧「売茶翁」とは?煎茶道のルーツとなった人物を通して煎茶をさらに知る」(2021年04月30日)を参考)

煎茶道の祖と言われる売茶翁(本名:高遊外)は黄檗宗の僧であり、萬福寺でも修行していたとのことです。そして煎茶道は隠元や売茶翁にルーツを持つことから、日本煎茶道連盟の本部は萬福寺に置かれており、「全国煎茶道大会」も毎年萬福寺で開催されているとのことです。

毎日飲んでいるお茶と繋がると、一気に萬福寺が身近なものに思えてきました🍵

手元の絵葉書はなかなか古いかと思いますが、萬福寺はこのように記録され続け、そしてずっと創建当時の姿を維持してきたのだということ、そして文化や生活への巨大な影響力を持ち続けてきたのだということ、感慨深いです。

今回入荷した絵葉書は他にも様々なものがありましたので、機会をみてまた紹介いたします。

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コトー

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参考
黄檗山萬福寺HP: https://www.obakusan.or.jp/
煎茶堂東京 読み物「黄檗宗の僧「売茶翁」とは?煎茶道のルーツとなった人物を通して煎茶をさらに知る」(2021年04月30日)https://shop.senchado.jp/blogs/ocha/20210430_282


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