オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展のご案内です

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ピエール・ボナール展に行ってきました。

 

ピエール・ボナール(Pierre Bonnard 1867‐1947年)は、ナビ派に分類されるフランスの画家です。
「ナビ・ジャポナール」(日本かぶれのナビ、日本的なナビ)と揶揄されるほど日本美術に影響を受けた、
装飾的、平面的な作風が特徴。幸福感のある親しみやすいし画面だし、日本にもファンが多いですよね。

なんてWiki的説明を載せてみましたが。

私はただひたすら、

「絵画は、絵の具と絵の具の相対的な関わりだけで出来ているんだ」
「それだけで絵画をつくることができる人間が、本物の画家なのだ」

ということを勝手に感じていました。そして、憧れの眩しさに前後不覚になりました!絵自体も、発光してるのかってくらい輝いていたし。
何のこっちゃって感じでしょうが、今年「モネ展(横浜美術館)」を見てからずっとそのことばかり考えていて、そしたらボナールの絵もそうだったんですよ。もともと彼の作品は、ほぼ手放しでダイブできるくらい大好きではありましたが。

 

絵を描くときに、単体で正しさを保証された材料(モチーフ、画材、表現媒体)というものはありません。世界にただ存在している時点では、形容詞のないただの素材。そんな寄る辺のない中で、何かを選び、ただの素材同士を関わらせたときにはじめて見出される「関係性」、その采配にかかっていると思うのです。

たとえば「色」。モチーフにしている物体の固有色は現実空間においては絶対的なものの一つ、と、とりあえず言えるかもしれない。でも、その色を科学的に正しく再現したところで、別に「正しい絵」が出来るわけではない。ただの色Aとただの色Bがぶつかることで生まれる抽象的な「色のようなもの」がある。そこへただの色C、D、E…が加わってゆく。
しかもその総体は、「相関関係」のみで成り立っているので、どこか一箇所を変えれば、全とっかえするしかないのだ。もしくは、ある一筆によってそれまで判然としなかったすべての要素の役割が定まり、突然完成するのだ。その一筆は自動的に最後の一筆になる。

 

それらを完璧に見定め、コントロールした先に「絵画的な正しさ」がありそうな気がする。その正しさを説明しようとしたり、理解しようと試みるけれど、現実と照らし合わせても答えは用意されていないし、言葉では断片や比喩しか与えられない。
だから、絵を描くためには「絵画的な正しさ」を測る測定システム自体を、作家一人一人が発明するしか術がないのです。

そして、矛盾するようだけど、見た目的にはそんな厳しさを感じさせない、むしろ、無数の正解を保持しているようなおおらかさが、ボナールの絵の魅力かなあ。

 

※「絵画的正しさ」という言葉は便宜的に指し示すための場所が必要だったので仮設した、からっぽの箱に過ぎません(むしろ箱の中身について、ああでもないこうでもないと一生考え続けるために、空箱が必要なんだと思うんです)。
だって「正しさ」なんて言葉は、使用者が何に立脚してどう定義しているかを表明した上で、且つ効力の及ぶ範囲を示した場合にしか、使用が許されない言葉でしょう。

※2「完璧にコントロール」という表現も、力でねじ伏せ完全に支配するという意味ではなく、流れや偶発性にどこまで委ねるかを含めた総体としてのバランス感覚の完璧さを言いたいのだよ。何か、ことに芸術について何かを言おうとすると、留保や限定を付けざるを得なくて、単語がぶくぶく着膨れてゆくのが悩ましい…。

※2.5 そう、悩ましい。表現しようとするものを、言葉で表現できず、そもそも把握することもままならず、苦しい。
でも、苦しければ苦しいほど「それが絵である必然性」の強度は増し、「それを絵にすべきだ」と励まされるような、表裏一体のエネルギーがある。

 

まあ、途方もなかった。巨匠たちの作品にガーーンとやられた2018年でした。
(本当は、そろそろ歴史とか時勢とか人間関係とか鑑みた見方をしなきゃかしら?という気持ちもあるっちゃあったけど、できんかった。家に愛称を付けて生活を愛しているところとか、何十年も恋人の本名を知らなかったこととか、挿絵で描いたキャラクター「ユビュおやじ」とか、とってもチャーミングではあったよ。)

そんな「不可抗力的絵画鑑賞法」(もはや自分でも意味がわかりませんが、全部モネのせいなのでしかたがない。にしても、自分に引き寄せすぎてしまったかも、と少し反省。)の結果、暴発した熱がおさまらなかったので、
「モネってすごい!ボナールってやっぱりすごい!」とアホの子みたいに友人知人に突っかかっては散らしました。そして「えー今更ー」という突っ込みを甘んじて受けましたよ。
でもさー。そもそも知らないことばっかりなんだから、今更も何もないよ、と思うんですよ。誰目線の時間軸やねんってシリアスなツッコミを入れてやりゃ良かったわ。不覚!

 

しょうもない作品を見て、ダサさや違和感への反応速度を上げて感性のキレを保つことはとても大事ですが、
しょうもない作品ばかり見る期間が長く続くと美術自体に絶望しそうになるので、定期的に良きものを見ましょうか。
最近しょうもないものばっかり見てて死にそう、という方には、ボナール展はうってつけです。
生きろ!

 

展覧会はまもなく終了(あと4日)ですので、まだの人はボブスレーの橇に乗って滑り込みなさい!

(↑これがユビュおやじだ!ゆるキャラ。)

 

アラレ
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オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展

【会期】2018年9月26日(水)~ 12月17日(月)
【休館日】毎週火曜日
【開館時間】10:00~18:00
      毎週金・土曜日は20:00まで
      *入場は閉館の30分前まで
【会場】国立新美術館
    〒106-8558 東京都港区六本木 7-22-2

 

 

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