李禹煥 LEE U-FAN の画集を入荷致しました! 

こんにちは!本日は二本立て!b-ganba.gifshine.gifshine.gif

まずはこちら。

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「李禹煥 全版画 1970-1986」1986年 シロタ画廊(限定2000部の内、特装版150部)

 

李禹煥 (リ・ウーファン)は1936年に大韓民国慶尚南道に生まれ、日本とヨーロッパを拠点に世界的に活動している美術家です。60年代末に日本で起こった美術運動「もの派」の主導的役割を果たし、日本の現代美術に大きな影響を与えました。現在は多摩美術大学名誉教授でもあります。

私が初めて拝見した作品は版画作品だったのですが、ある時ギャラリーで、もの凄く大きなガラス板が巨大な石でぶっ壊されている作品を見たときは「おおぅ・・・」と思ったものです(笑)cat_5.gif

こちらの画集には1970~1986年の版画作品を集めたもので、木版、リトグラフ、銅版など、様々な試行錯誤の末に制作した作品がガッツリ掲載されています。

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そしてなんと、今回当店が入荷したこの画集はオリジナル銅版画(ドライポイント)作品2点(両作品ともed.51/150、1986年作)収録の特装版(限定150部)で、1987年3月に書かれた作家ご本人のサインも入っております!うーん、プレートマークが美しい・・・!shine.gif

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続いて2つ目はこちら。

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「李禹煥 展覧会図録」1991年 原美術館

 

1991年に原美術館にて開催された「李禹煥展」の展覧会図録です。

こちらは上記の版画作品ではなく、主にペインティング、立体作品を中心に掲載されています。

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立体作品のエスキース。思考の一部を覗いているみたいで面白いですicon_biggrin.gif

以下、カタログより抜粋。

「人口的な鉄板と自然的な石は不思議とよく似合う。鉄板と石は重く堅いせいか、ともに時間と空間に強く働きかける力を持っている。そして無口で無表情でゆっくり変化していく様は、日常時勢のことより、ずっと遠い過去やはるかな未来をおもいめぐらすのにふさわしい。私は鉄板と石の暗示的な出会いを呼びかけて、歴史の底に流れるもの、いわば無限な世界について語らせてみたいと思う。」

 

ちなみに私は李禹煥の油彩と岩絵具のペインティング「点より」と「線より」の作品群が好きで、絵具を付けたところから徐々に擦れていき、また絵具を付け直して描いていくプロセスが、とても書道に似ていて素晴らしい絵画空間だと思いましたicon_smile.gif 

立体作品にも言える事ですが、彼の作品は最小限の手数でありながら、最大限の効果と交感をもたらす余白の芸術だなぁとしみじみ思いますw01.gif

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どこかのインタビューで拝見したのですが、見た目がシンプルな作品故、知らない人には「こんなの誰でも描けるよ(出来るよ)」と思われるけど、実は何層も何層も長い時間をかけて絵具を塗り重ねたり、1つの点を打つ、そのコンポジションを決めるまで、画面上で様々な比率や計算をもとに徹底的に測って考えるんだそうです。単純に見える形や構造の作品でも、そこに行きつくまでのシビアな思考の葛藤が垣間見えるようでした。

そして、こちらの図録もご本人のサイン入りでございます!

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「もの派」の作品から続く、自分が支配的になるのではなく、自ら作ることが出来ない自然物や産業物を作品に取り入れて、それらを結び付けていくことを目指した作品は、やがて森羅万象、宇宙にまで話が繋がっていくのでしょう。西洋や東洋の境界を軽々と飛びこえまくっている作品を見ていると、自分もこういう作家になっていきたいと強く願わずにはいられません。

ちなみに李禹煥美術館が2010年に香川県直島町にオープンしています。李禹煥と建築家・安藤忠雄のコラボレーションによる美術館です。興味のある方は是非訪れてみてくださいね!

ふうき


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