畦地梅太郎画文集のご紹介!
最近はすっかり気温も上がり、だんだんとコートも不要になってきましたね!私は夏が大の苦手なので、今から戦々恐々としています
さて、本日ご紹介するのはこちら!
「畦地梅太郎 よろこびの頂」 鹿鳴荘発行 1984年(昭和59年)
畦地梅太郎(1902年ー1999年)は愛媛県宇和島市三間町出身の版画家で、山岳風景をモチーフとした木版画作品を多数制作し、「山の版画家」として良く知られています。
畦地の代表作「山男」シリーズに登場する人物は可愛らしく、ユニークな形をしていますが、これはご自身の姿との事。
もともと油絵画家を目指していましたが、内閣印刷局に勤務していた際、空き時間に手近にある鉛板を用いて版画を制作していました。この時の作品が日本創作版画協会(現在の日本版画協会)の会員だった平塚運一らに認められ、自身も版画協会に出品し入選。以降、内閣印刷局を辞めて版画の道へ進む事を決意します。
こちらの素敵な画文集は、780部発行された内、180部のみ作られたオリジナル版画3点を含む「特装版」となっております!(ちなみに当店にあるこの特装版エディションナンバーは53番です。)しかも表紙に貼られている蔵書票も実際木版で摺られたオリジナルのもので、手作りされた重みを感じます。
油性ペンで書かれたサイン。鳥がかわいい。
以下オリジナル木版画作品3点。シンプルな中にも力強さを感じる作品です。
画文集の他、挿絵、装丁の分野でも活躍した畦地梅太郎ならではの優しいタッチとユニークな線が素敵ですね~
山のこと、家族のこと、自身の作品や日々過ごして感じたことなど、読みやすく、淡々とした文章で書かれており、特に山の事については厳しくも優しい愛がビシバシ伝わってきて、彼の山に対する作家としての、そして人としての目線が大変興味深く感じられました。
機会がございましたら是非お手に取ってみて下さいね!
私事で恐縮ですが 実は約14年前に、畦地梅太郎が名誉会員となっている「日本版画協会」のコンペティションで、「畦地梅太郎賞」を受賞したことがあります。準会員に与えられる賞全体で見たら第2位に当たる賞でしたが、副賞の内容が「え、これ1位かな?」と思える程の素晴らしい賞でした。その時の副賞の一つとして戴いた畦地作品は今でも大切に我が家に飾られています
その後、受賞作品が収蔵された愛媛県宇和島市にある「畦地梅太郎記念美術館」に1度だけ伺ったことがあります。そこまでの道中、美術館がある最寄りの駅まで、小さな1両編成の電車でコトコト行くのですが、その時、私は生まれて初めて無人駅というものを見ました。そういえば、切符を切られた覚えもないなー、なんて思いながら、目の前にそびえ立つ山々をボケーと見ていたという・・・(笑)
でも電車に乗っていた時に「本当にここ走るの!?」と思うようなミカン畑の中を突っ切って行ったときはあまりの美しさにとても感動しました。
現地の学芸員の方に頂いたミカンジュースとじゃこ天も美味しかったなぁ・・・
ふうき