セ・リーグ公式試合の古いポスターを入手しました⚾

【セ・リーグ公式試合の古いポスターを入手しました!】

あたたかな日差しに、月を忘れそうです。しかし、電車の中で単語帳を開く若い方々の多さから、受験シーズンであることを思い出します。
皆さまご自愛ください。

本日は以下のポスターをご紹介したいと思います。

国鉄スワローズ ポスター

「セ・リーグ公式試合 巨人 対 国鉄」のポスターです。

バックに「1954」の文字があります。1954年5月18日火曜日に熊谷市営球場で行われた試合のようです。

日本のプロ野球が整備されていった時代の、歴史あるポスターです。以下、調べてみたことを書いてみます。

まず、公益財団法人野球殿堂博物館の「日本野球の歴史」を参考にして、プロ野球の歴史を見てみます。
日本プロ野球の始まりは、1936年とのことです。この年に、東京巨人、大阪タイガース、名古屋、東京セネタース、阪急、大東京、名古屋金鯱の7球団により日本職業野球連盟が創立、プロ野球のリーグ戦がスタートしました。

そして戦争により一時中止となったものの、1946年にプロ野球は復活しています。

また、日本野球機構「セントラル・リーグ略史」を参考に、セントラル・リーグについても見てみます。
セントラル・リーグは1949年12月15日に読売ジャイアンツ、松竹ロビンス、阪神タイガース、中日ドラゴンズ、広島カープ、大洋ホエールズ、西日本パイレーツの7球団により結成されました。
そして1950年1月12日に国鉄スワローズが新たに加盟、8球団制のもと、3月10日よりセ・リーグ最初のシーズンが開幕しました。

国鉄スワローズは一歩遅れてプロ野球に参加したのですね。

東京ヤクルトスワローズ「球団のあゆみ」には、その遅れによる苦労が記されています。有力なアマチュア選手は他球団と契約済みであったり、スワローズが参入が遅かったことにより既存球団からの選手供出も受けられなかったりと、選手集めは容易でなかったとのことです。
国鉄スワローズ誕生の1950年は、大型連敗も続き、結果セ・リーグ7位でした。

その後のスワローズの順位を追いますと、1951年・1952年は5位、1953年は6位と、振るわないようです。

では、ポスターの試合のあった1954年はスワローズにとってどんな年だったのでしょう。同じく、東京ヤクルトスワローズ「球団のあゆみ」を参考にします。
1954年スワローズは、藤田宗一を2代目監督に据え新たなスタートを切っています。
また、ベテラン三塁手の宇野光雄を獲得しています。
そして、以下引用しますと、

開幕はその宇野の古巣である巨人にいきなり連敗を喫したものの、4月を10勝10敗の五分で乗り切ると、5月下旬から6連勝で3位に浮上。6月9日から13日にかけても5連勝を記録するなど、旋風を巻き起こした。中盤以降は宇野の捻挫を筆頭に故障者が相次ぎ、前年から順位を1つ上げただけの5位に終わったが、年間55勝は球団新記録。創設以来、毎年大きく負け越していた巨人に対しても、4月4日のダブルヘッダー第2戦から6月22日まで8連勝するなど善戦した。

とのことです。

1954年はスワローズにとって飛躍の年だったのですね。

このように調べてみると、まだ誕生からそれ程経ってはいないプロ野球、そしてスワローズの歩みの中に、今回手に入れたポスターの試合も含まれていることが実感されます。感慨深いです。

公益財団法人野球殿堂博物館「日本野球の歴史」によれば、1953年よりテレビの野球実況放送が始まったとのことです。高まっていく野球人気の中で、1954年のこのポスターの試合も熱気あるものだったのでしょうか。

さて、ポスターの別部分にも注目してみます。

試合は「熊谷市営球場」で行われたとあります。しかし、現在この球場は閉鎖されてしまっているようです。
日本野球機構「球場情報」によれば、熊谷市営球場は1950年8月に開場、公式戦初開催が1950年8月17日で、公式戦最終開催は1955年7月9日とのことです。公式戦試合数としては18試合です。

それ程多く公式試合が行われた球場ではないので、熊谷市営球場で行われた公式試合のポスターというのも、たくさんはないのかもしれません。そのような点からも、このポスターは興味を惹かれます。

また、ポスター中央には「明治バターキャラメル」の文字とパッケージ画像があります。
「明治バターキャラメル」を「ジャパンアーカイブス」で検索してみますと、1953年に発売開始されたものであるとのことです。サイコロキャラメルと同時に新発売となったものなのですね。

ポスターは1954年の試合のものですから、「明治バターキャラメル」発売開始からそれ程経っていない中で宣伝されているということなのでしょう。ポスターにキャラメルの広告が付随しているということは、野球の試合は当時から子供さんにも人気だったのでしょうか。

ポスターをよく見てみると、当時の雰囲気を感じられます。商品の宣伝などは、野球の試合のポスターのようなところにも残っているのですね。このようなところに、過去の商品について知る手がかりがあるというのは、発見でした。

調べてみると、たくさんの情報をくれるポスターでした。

以上、「セ・リーグ公式試合 巨人 対 国鉄」(1954年5月18日火曜日・熊谷市営球場)のポスターについて紹介しました。

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参考
公益財団法人野球殿堂博物館「日本野球の歴史」
https://baseball-museum.or.jp/exhibitions/history/

日本野球機構「セントラル・リーグ略史」
https://npb.jp/cl/history.html

同「球場情報」「熊谷市営(閉鎖)」
https://npb.jp/stadium/detail.html?071

東京ヤクルトスワローズ「球団のあゆみ」
https://www.yakult-swallows.co.jp/pages/company/history/1950

ジャパンアーカイブス【1953年】菓子類(昭和28年)▷バターキャラメル・サイコロキャラメル・新発売(明治製菓)
https://jaa2100.org/entry/detail/030967.html


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