日露戦争を記念した写真帖、絵葉書などをお譲りいただきました!~その2 絵葉書になる歴史上の人物とはどんな人物?

 先日、国立市に買取にうかがいました。三室小石、酒井 雄哉、三浦小平二、坂田泥華、三輪休雪、島岡達三、田辺 三重松、平山 郁夫、といった陶芸家、書家、洋画家、日本画家の作品や、木彫、仏像、古銭、銀杯、腕時計等を多数お譲りいただきました!ありがとうございます!

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 さて、5月4日のくまねこ堂ブログにて、日露戦争を記念した写真帖、絵葉書などをお譲りいただきましたこと、お伝えいたしました。前回は日露戦争記念の陸海軍写真帖と、これと同時期に発行された昭和10年頃の「旅行案内」を取り上げました。そして両者の関連から、日本の観光産業の発展が垣間見えるのではないか、という観点で紹介いたしました。

※日露戦争を記念した写真帖、絵葉書などをお譲りいただきました!~その1 昭和戦前期の観光業の隆盛と戦跡めぐり(くまねこ堂骨董ブログ、2020年5月4日)
https://www.kumaneko-antique.com/15955/

 改めてこの点を説明すれば、次のようになります。1930年代半ばの日本は、交通網の発達もあり、国内旅行どころか、外地の朝鮮や満州への旅行が盛んでした。その観光先として強力な、あるいは鉄板のコンテンツとなっていたのが、日清・日露戦争の戦勝記念史跡だったのです。両戦争の実際の戦場は、朝鮮半島や中国東北部(満州)であったことを思い返す必要があります。もしかすると、修学旅行と史跡観光とのセットが定着していったのは、この時期の観光産業の勢いと関係があるのかもしれません。

 そこで前回の予告のとおり、あわせてお譲りいただきました絵葉書や満州で撮影された写真を取り上げていきます。まずは、前述した「修学旅行と史跡観光とのセット」という仮説に関わる絵葉書を見ていきます。

北条貞将絵葉書

 上掲の絵葉書は、鎌倉時代末期の北条氏金沢流の武将とされる、北条貞将(ほうじょう・さだゆき)です。鎌倉時代末期の倒幕運動の中で幕府軍の将として各地を転戦して活躍しましたが、新田義貞軍に敗れて壮烈な最期を遂げたことで知られています。なお、この場面は軍記物語『太平記』の名場面のひとつに数えられます。

 鎌倉幕府滅亡への道で数々のドラマが生まれましたが、そのような悲惨さと勇敢さがない交ぜになった逸話に直面したとき、どのような感慨を抱くかはともかくとしても、私たちはなかなか素通りできないものです。この北条貞将の戦死やそこにいたる人生が史跡観光のコンテンツとして、あるいは教材として扱われたとしても不思議ではないように思われます。

足利基氏絵葉書

 こちらは、鎌倉幕府打倒で活躍し室町幕府を開いた足利尊氏の四男にして、初代鎌倉公方の足利基氏です。基氏は武芸に秀で、かつ教養ある人物として伝えられ、しかも28歳の若さで亡くなったこともあり、講談において脚色し甲斐のある要素が詰まっています。

 「絵葉書化」という側面から見た場合、和歌や料理の造詣が深いという点が注目に値します。基氏が詠んだ和歌で扱われた名所、あるいはご当地の料理などをもとにして、強力な観光コンテンツと化していたことでしょう。

 北条貞将にしても、足利基氏にしても、絵葉書となる理由に事欠かない歴史上の人物であったといえるでしょう。

 次回は、冒頭に述べたもう一つの観点に迫ります。1930年代半ばの日本は、交通網の発達もあり、国内旅行どころか、外地の朝鮮や満州への旅行が盛んだったこととの関連を思わせる、ある絵葉書を紹介する予定です。若干の予告をすれば、その絵葉書とは、1910年の日本の国際的地位に関わる出来事を扱ったものです。どうか引き続きご覧いただければ幸いです。

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小野坂


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