大学入試シーズンがやってきました|蛍雪時代付録のご紹介
一月ほど前になりますが、先月の14、15日に2023年度大学入学共通テストが実施されました。
僕はとある私立大学の城下町のようなところに住んでいるのですが、昨日大学の前を通りかかると、もう入試準備のための厳戒態勢がひかれていました。受験生たちにとってはいよいよといった季節ですね。
なんだかんだと意見はあるものの、受験というものを乗り越えるのは、特にやることもなかった僕にはとても良い経験になったと、そのようにも思い出されます。
都心の中学受験の日程も、たしか2月のはじめ頃だったと思います。
お子様をお持ちの方は何かと気苦労の多い時期かと思いますが、まだ寒さもございますので、お身体にはお気を付けください。
今回ご紹介するのは「共通テスト誌上公開模試」でございます。こちらは大学受験生向けの月刊雑誌『蛍雪時代(旺文社)』の昭和54年7月号の付録です。昭和の時代の古い学習参考書を買取させていただくことも多いのですが、こういった受験関係の書籍はやたらとジャケがカッコいいです。
ご覧ください、この表紙絵。合格を意味しているであろう細長い窓は狭く、その大きさによって様々な色が割り振られています。そこを目指している受験生を意味しているであろう、まだ手付かずな薄茶色の矢印はみな概ね一様に見えます。
気になるのは左上、幅の広めな窓からはマットなグレーの光が見えるのです。これは楽に入れる大学には、灰色のキャンパスライフしか待っていないのだという、前時代的な思想もやや感じられます。もちろん大学受験にそういった側面は大きいですから、なんとも言えませんが。
見開きページには誌上模試の概要が書いてあります。読んでみたところ、要旨じは以下の通りでした。
①ここに載っているのは昨年(昭和53年)10月の旺文社模試の問題である
②昨年その模試を受けた学生の点数と結局どこの大学に合格したのかが照合できる表がある
③それらは志望校決定の大きな手がかりとなるはずだからぜひご活用ください
②の表とはこんなものでした。
この席次一覧を見れば去年の合格者が、この模試で何点取っていたのかが分かるといったものでしょう。
僕自身は全く劣等の受験生でしたのでこんなものは気にしない、ただのデータじゃないかとあまりきちんと見ていなかったように思います。
大学は北海道から始まっているので、最初は北大の校舎かと思いましたが、調べてみるとやはりというか東大の有名な本郷キャンパスの校舎でした。
でも北大と東大は校舎の雰囲気が似ているイメージがあり、土地柄でしょうか、どちらかというと北大の方が静謐な感じがして僕は好きです。なんとなくヨーロッパとかの大学っぽい雰囲気を感じるのです。
せっかくですので問題も少し見てみましょう。
懐かしいです。形式もあまり変わっていないように見えます。
蛍雪時代から「蛍雪」という言葉の由来を引用して締めさせていただきます。
中国の晋の時代に、車胤(しゃいん)と孫康(そんこう)という二人の青年がいた。
二人は官吏を志望していたが、夜に本を読むための灯火の油を買うこともできないほど、共に家が貧しかった。
そこで車胤は、夏の夜に蛍を数十匹つかまえて絹の袋に入れ、蛍の光で本を読んで勉強し、孫康は冬の夜に窓辺に雪を積み上げて、雪の明かりで勉強し続けた。
二人の努力は報われて、のちに高級官吏に出世した。
この故事にある「蛍」と「雪」から、「蛍雪」という言葉が生まれた。
(『晋書(車胤伝)』による)引用元:語源由来辞典
煌々と明かりの灯った、オフィスビルのような予備校もいいですが、こういった景色もやはり無くならずに残ってほしいと勝手ながらに思います。
なにはともあれ、勉強できる時間があるというのは何にも代えがたいと、今になるとよく分かります。
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小野