関東大震災の絵はがきを紹介します
いつもくまねこ堂ブログをご覧いただきありがとうございます。
最近入荷しました、戦前日本の絵はがきを紹介します。今回取り上げるのは、1923年9月の関東大震災の実写写真を用いた絵はがきです。
東京の様子を写したものは、全て9月1日の日付が入っています。
横浜については、横浜市震災記念館発行の封筒入り絵はがきがございます。横浜市震災記念館とは、1924(大正13)年9月1日に横浜の北仲通に開館し、アジア太平洋戦争の激化を受けて閉館した博物館です。
絵はがきは当時の様子を示す重要な史料であることにはたしかですが、写真や絵から何を読み取るか、という点に踏み込むと、厄介な問題に直面することになります。それら絵はがきは何を取り上げ、何を取り上げなかったのか、それゆえにどのような性質を持つ史料なのか、といった諸点が問題となるからです。とはいえ、それらを問うなかで、関東大震災がどのように記憶されてきたのかを再考する時期にきていると思われます。100年前に何が起きたのか、そしてその出来事を「関東大震災」としてどのように記憶してきたのでしょうか。今回紹介した絵はがきが、そうしたことを考える一助になれば幸いです。
小野坂