薩摩焼の花器などをお譲りいただきました🌼
朝の風と湿り気に、秋を思いました。気づけば8月ももう後半。宿題が終わるかどうか、そろそろ焦ろうとするものの、まだいいやと思って昼寝をしていた頃ですね。懐かしい。
先日は埼玉県川口市元郷に出張買取でお伺いしました。お問合せいただいてから24時間以内にお伺いしました🚙
白薩摩・黒薩摩などの花瓶・花器、またお茶道具・茶器・茶碗などをいただいています。人間国宝の作品もありました。
少しご紹介します。薩摩焼の花器です。
デザイン化された蝶は、活力に溢れています。また、写実的なオシドリには技術を感じます。クリーム色の地に金で縁取られた色鮮やかな藤も目をひきます。デザイン化されたものと写実的なものが共存しているのは、面白く新鮮に思いました。
口元の模様も繊細で美しいです。
こちら薩陶山のものだとわかります。
また、以下の薩摩焼の花瓶もいただきました。
これまた華やかです。花々の絢爛さ、その生命力を感じます。こちらの金色の縁取りも綺麗です。そのような花の豪奢の中に、可愛らしい雀がいます。
頭が大きくてちんまくて、きゃわいいです。これは写実的にあえてせず、きゃわいい雀を描いているのでしょう。同じ花瓶の中にテイストの違う絵を入れているのは、遊び心を感じます。
沈壽官の作品です。
自分は沈壽官について知識がなかったので、NHKアーカイブス「沈壽官」の紹介を参考に以下、まとめます。
第14代沈壽官は、薩摩焼の振興と発展に尽力し、薩摩切子から着想を得た新しい技法を生み出したり、釉薬の改良により「井光黒」とよばれるこれまでにない黒薩摩を開発するなどの功績がありました。また、日韓の交流にも積極的でした。平成10年の薩摩焼400年祭では韓国ナムォン市から「窯の火」を船で運び、両国の親善と友好の証としています。
NHKアーカイブスには、彼の言葉として、「品のいいものを作ろうと思うたら お前が品よくなれということや」があげられています。芸術家の言葉だなあと思います。本当にそれを実行して作品を作っていたのだろうと、感じます。
今回は、次にあるような花瓶もいただきました。
上品で落ち着いた雰囲気です。この、側にいてほしいやさしさを持った品を作れること、素晴らしいです。身近に置いて生活したくなります。
沈壽官窯HPを見ますと、沈壽官の初代は、豊臣秀吉の朝鮮出兵に際して日本に連行されてきた多くの朝鮮人技術者の中の一人であったとのことです。薩摩焼の長い歴史に、どれだけの言葉にできない苦悩もまた重ねられているのだろうと、思います。
今、目の前にある品々は、見れば美しく、触れれば親しい、素晴らしいものです。しかしそれが生まれる歴史もまた、忘れたくないなあと感じました。
今回買取いたしましたお品物の紹介は以上となります。素敵なお品の数々、誠にありがとうございました。
くまねこ堂では、古本やDVD/CDの他にも、古道具や骨董品、アクセサリー、切手、万年筆、レコードや古いおもちゃなどなど、様々なお品物の買取も行っております。 ご処分をお考えの方、またご整理などでお困りのお客さまは、是非くまねこ堂までお申しつけ下さいませ。いろいろなご提案ができるかもしれません。 お電話またはメールフォーム、LINEにて、まずはお気軽にお問い合わせ下さい!スタッフ一同心よりお待ちしております!
コトー
参考
NHKアーカイブス「沈壽官」
https://www2.nhk.or.jp/archives/articles/?id=D0009250606_00000
沈壽官窯HP「歴史」http://www.chin-jukan.co.jp/history.html