明治期の擬堆黒のお盆をお譲り頂きました。
西東京市ひばりが丘で、明治期の擬堆黒のお盆をお譲り頂きました。
8月9日の記事「皇室に近しい、由緒ある血筋のお宅」での買取り品ご紹介の第6回目になります。
表面には山水画、裏面には中国で福の気を表すといわれている蝙蝠(こうもり)や霊芝(れいし)、果物など、縁起物の吉祥図案が所狭しと彫り込まれています。
サイズは30×30センチ、重さは1239グラムで、石製?のようです。
裏面 ↓
絵柄だけでなく、書(詩でしょうか)まで刻まれています。
明治十有九年(19年)とありますね。
堆朱や堆黒は漆を何層にも重ねて彫られた中国の漆芸で、くまねこ堂でも時折取扱いがあるのですが、擬堆黒は私初めて拝見しました。高岡漆器の原型となった工芸技術なのだそうです。
堆朱・堆黒などは本当に繊細で、ダイナミックな絵柄の背景に繊細な文様がびっしり入ります。一体どのようにして作業されているのかと思うほど気の遠くなるような仕事量に思えますが、今日ご紹介のお盆も同様、いえ、それ以上の迫力です!
両面に趣の異なる絵柄が施され、大変見応えのあるお品です。
第7回(このお宅での買い取り品、最後のご紹介)につづきます。
byキョーコ