買取事例
即日出張買取にお伺いしました!!
昨日、お客様からの即日の買取依頼があり、中野区中央の鍋屋横丁に買取に行かせていただきました!
くまねこ堂では、状況次第では当日の買取依頼にも対応可能ですので、まずはお電話等にてお気軽にご相談ください!
今回買取にお伺いしたお宅は、大量の荷物をご整理したい、とのご相談でした。
ご自宅を拝見させていただきますと、確かに、住まわれていた方々の暮らしの年月を感じさせる、様々な品物の数々!もちろん一つ一つ丁寧に査定させていただきました。
お母様ご所有のジュエリー・アクセサリーや、お父様ご所有のコインのほか、写真のような古道具も含めて買取させていただきました。
当ブログをご覧の皆様も、もし荷物の整理等行う事がございましたら、まとめてゴミとして捨ててしまう前に、是非当店にご相談ください。
意外なものに意外な値が付くかもしれません!
お稲
李禹煥 LEE U-FAN の画集を入荷致しました!
こんにちは!本日は二本立て!
まずはこちら。
「李禹煥 全版画 1970-1986」1986年 シロタ画廊(限定2000部の内、特装版150部)
李禹煥 (リ・ウーファン)は1936年に大韓民国慶尚南道に生まれ、日本とヨーロッパを拠点に世界的に活動している美術家です。60年代末に日本で起こった美術運動「もの派」の主導的役割を果たし、日本の現代美術に大きな影響を与えました。現在は多摩美術大学名誉教授でもあります。
私が初めて拝見した作品は版画作品だったのですが、ある時ギャラリーで、もの凄く大きなガラス板が巨大な石でぶっ壊されている作品を見たときは「おおぅ・・・」と思ったものです(笑)
こちらの画集には1970~1986年の版画作品を集めたもので、木版、リトグラフ、銅版など、様々な試行錯誤の末に制作した作品がガッツリ掲載されています。
そしてなんと、今回当店が入荷したこの画集はオリジナル銅版画(ドライポイント)作品2点(両作品ともed.51/150、1986年作)収録の特装版(限定150部)で、1987年3月に書かれた作家ご本人のサインも入っております!うーん、プレートマークが美しい・・・!
続いて2つ目はこちら。
「李禹煥 展覧会図録」1991年 原美術館
1991年に原美術館にて開催された「李禹煥展」の展覧会図録です。
こちらは上記の版画作品ではなく、主にペインティング、立体作品を中心に掲載されています。
立体作品のエスキース。思考の一部を覗いているみたいで面白いです
以下、カタログより抜粋。
「人口的な鉄板と自然的な石は不思議とよく似合う。鉄板と石は重く堅いせいか、ともに時間と空間に強く働きかける力を持っている。そして無口で無表情でゆっくり変化していく様は、日常時勢のことより、ずっと遠い過去やはるかな未来をおもいめぐらすのにふさわしい。私は鉄板と石の暗示的な出会いを呼びかけて、歴史の底に流れるもの、いわば無限な世界について語らせてみたいと思う。」
ちなみに私は李禹煥の油彩と岩絵具のペインティング「点より」と「線より」の作品群が好きで、絵具を付けたところから徐々に擦れていき、また絵具を付け直して描いていくプロセスが、とても書道に似ていて素晴らしい絵画空間だと思いました
立体作品にも言える事ですが、彼の作品は最小限の手数でありながら、最大限の効果と交感をもたらす余白の芸術だなぁとしみじみ思います
どこかのインタビューで拝見したのですが、見た目がシンプルな作品故、知らない人には「こんなの誰でも描けるよ(出来るよ)」と思われるけど、実は何層も何層も長い時間をかけて絵具を塗り重ねたり、1つの点を打つ、そのコンポジションを決めるまで、画面上で様々な比率や計算をもとに徹底的に測って考えるんだそうです。単純に見える形や構造の作品でも、そこに行きつくまでのシビアな思考の葛藤が垣間見えるようでした。
そして、こちらの図録もご本人のサイン入りでございます!
「もの派」の作品から続く、自分が支配的になるのではなく、自ら作ることが出来ない自然物や産業物を作品に取り入れて、それらを結び付けていくことを目指した作品は、やがて森羅万象、宇宙にまで話が繋がっていくのでしょう。西洋や東洋の境界を軽々と飛びこえまくっている作品を見ていると、自分もこういう作家になっていきたいと強く願わずにはいられません。
ちなみに李禹煥美術館が2010年に香川県直島町にオープンしています。李禹煥と建築家・安藤忠雄のコラボレーションによる美術館です。興味のある方は是非訪れてみてくださいね!
ふうき
「棟方志功板畫集」を入荷致しました!
最近は不安定なお天気の時もありますが、大分ポカポカと気持ちの良い日が続くようになりましたね。
さてこの度ご紹介するのはこちら!
「棟方志功板畫集」昭和22年、細川書店
「ワだばゴッホになる」の言葉でもおなじみ、棟方志功(むなかたしこう)は1903年(明治36年)青森市生まれの板画家で、20世紀美術を代表する作家の一人です。彼の版画作品は木版画なのですが、版画を「板画」と称していました。これは「版を重ねて作品とするのではなく、板の命を彫り出すことを目的とした芸術を板画とした。」という考えから来るものです。
以前どこかの本で読んだのですが、仏師が「自分が仏様を彫っている(作っている)のではなく、木の中にいる仏様を自分が彫らせて頂いているに過ぎない」と言っていた感覚にとても良く似ているなーと思いました。
版画の世界では、1955年にサンパウロ・ビエンナーレで版画部門最高賞を受賞し、1956年のヴェネツィア ビエンナーレで日本人として初の国際版画大賞を受賞したことで、一躍「世界のムナカタ」となった事は大変良く知られています。
また、映画やドラマでも良くみられるシーンですが、極度の近眼の為、眼鏡が版木にくっつく程顔を近づけ、何かに憑りつかれたように一心不乱に物凄いスピードで彫っていく姿はあまりにも有名ですね。
この「棟方志功板畫集」は実際刷られたものと印刷との両方の図版を含みますが、文字は全て活版印刷で仕上げられており、非常に手作り感溢れる味わい深い画集となっています。
棟方ならではのユニークな表情や線が魅力的!
棟方志功の代名詞とも言える代表作「二菩薩釈迦十大弟子」は、驚くべきことに12面に及ぶ作品にも関わらず、わずか一週間で仕上げたとの事。もの凄い集中力とエネルギーの塊です。
舎利弗(しゃりほつ)
阿難陀(あなんだ)
なんとこの人、十大弟子の中で一番のイケメンで、女性に大人気だったとか。
そして!遊び紙の模様も印刷ではなく、実際刷られたものです。手が込んでるー!
この活版印刷独自のエンボスも堪りませんね!!
裏面
画集冒頭に掲載されている、棟方に大きな影響を与えた柳宗悦の言葉も大変興味深いです。
「恐らく棟方といふ個人の力以外のものが背後に控えていて、棟方に仕事をさせているのである。棟方の仕事には「作る」といふ性質より、「生れる」といふ性質の方が強い。」
柳宗悦が理想とした職人や芸術家は「何者かがそれを動かしている」ような人物でした。恐らく棟方にその理想を見出したのでしょう。
「この道より我を生かす道なし、この道をゆく(武者小路実篤)」を生涯の座右の銘とした棟方志功。
自身の信念に基づき、過酷なまでに純粋に絵に突き進んだ作品は、理屈どうこうを吹っ飛ばして見るものにパワーをガンガン与えてくれます。
余談ですが、約12年前、青森県立美術館で開催された「棟方志功展」を拝見する機会がありました。その時展示された作品群の中に、棟方の書簡が展示されていたのですが、なんというか、感覚のままに書いていくというか、間違えたらガンガン墨で傍線を引いて訂正し、とにかく書き進めていく、そして、できあがった手紙はまるで本番前の下書きのようでした。しかし、そこに彼の性格と思考のスピードを感じて、凄い面白い人だなーと思った覚えがあります。
機会がございましたら是非ご覧になって見てくださいね!
ふうき
中国の扇面を入手しました!
皆さま
扇子(せんす)を使われたことってございますでしょうか❓
あおいで使うあの道具。平安時代の貴族たちがこよなく愛した器物でもあり。
扇は末が広がる形状から末広がりの縁起が良い文様としても愛好されました。
扇面、大変美しくかっこいいです。
扇面とは扇の表面、紙の面のことでございます
【https://kuir.jm.kansai-u.ac.jp/dspace/bitstream/10112/7902/1/KU-0400-20130401-16.pdf】※関西大学東西学術研究所引用しました。
『扇面画の美術交渉 日本・中国からフランスへ』日本の影響を受けながら、中国で発達していくことになったが、再び中国から日本に伝来するという複雑な文化交流の展開となり東アジアの文化交渉の一端を明らかにする重要な作品(生産品)になったといってよいと記されています。
わたくしだったら何を描こうかなぁと想像してしまいました
本日ご覧いただきありがとうございました!Hawaii
人間国宝・福島武山さんの香合。えびす様!
こんにちは!
↑スミレをはじめ、小さな花が色々咲いてきましたね~
はこべ、なずな、ホトケノザ、オオイヌノフグリなど・・・春の色合いに心和まされます。
本日は、神奈川県藤沢エリアでの買取で、素敵な香合をお譲りいただきました。
香合とは、中にお香を収納する小さな器です。大きさは掌におさまる位で、小ぶりながら凝った意匠が素敵ですよね!
こちらは、人間国宝の福島武山さんの作です。
九谷焼の伝統的な意匠である、赤絵を活かした細密な作風で知られる作家さんです。2015年にはエルメスとコラボした12本限定の時計などを発表されていました。
白磁器の素地にベンガラ(赤い土)で出来た赤絵具と金を使い、緻密な線で文様が描かれています・・・。
裏側の文様を見ると、その繊細な筆遣いがよく分かります
どうですか?
こちらのお宅では、その他にも、お香炉、水石、ブロンズ像、クリスタルの器、ステンドグラスのランプ、レコードやCD、古本などを買い取らせていただきました。
さらに、お父様のご趣味の、上村松篁や上村淳之などの日本画や、その他油彩などの絵画も数多くお譲りいただきました。
また、お客様の温かいお人柄に触れながらの、楽しい買取となりました。
ご依頼誠にありがとうございました!
むさし
素敵なリヤドロのご紹介!
渋谷区猿楽町のデザイン事務所からご依頼があり、伺ってまいりました!
数ある中から、本日はリヤドロをご紹介したいと思います
リヤドロは、スペインにある磁器人形の製造企業です。
作品は世界約120カ国にて展開され、名だたる美術館にも展示・所蔵されており
日本でも、その柔らかい色使いや表情にとても人気があります。
↑こちらはCARDINAL BIRDと言って、本来は真っ赤な羽が特徴的な鳥ですが
とても愛らしいピンク色をした作品となっていますね。
尾羽がつんと上を向いていて、絶妙なバランスで立っているのが美しいです
↑そしてもう一点、先日また他のお客さまからお譲りいただいたこちらは、
リヤドロ社の姉妹ブランドである“NAO(ナオ)”の作品です。
こちらは、“踊り終えて” という作品。
タイトルもとても素敵で、踊りを終えたあとの、余韻を残すようなしぐさが何とも言えませんね。。
繊細な花などのあしらいにより高級になるリヤドロに比べて
NAOはシンプルな親しみやすいデザインが特徴で、
価格も比較的リーズナブルになっております。
キティやディズニープリンセスなど可愛らしい作品も多いので、
幅広い方々への贈り物にも人気です!
ますこ
ボンボニエールのご紹介~皇室からの贈り物~
江東区木場のお客様より、着物、三味線、陶磁器、絵画、アクセサリー、壺、花瓶、食器類、切手、カード、古銭、リヤドロなどをお譲りいただきました。ご依頼誠にありがとうございました。
近年、金平糖入れ「ボンボニエール」というお品物に注目が集まっていますね
フランス語でボンボン(糖衣菓子・砂糖菓子。アーモンドに淡いピンクやブルーのお砂糖がコーティングされたお菓子とか、すごく好きでしたね~~~!)を入れるための箱のことを指します
陶器や銀器、貝等様々なボンボニエールがありますが、
今回ご紹介いたしますのは、とっておきの一品。
銀製の手のひらサイズの贈り物。そして全てに16枚の花弁が付いた、菊の紋章。
こちらは皇室の宮中宴会の記念品で有名なボンボニエールです!
それぞれの時代の時の人!や、宮廷に近しい方々に配られる、特別なお品物です
日本の宮中晩餐会では、明治20年頃から今日に至るまで、金平糖を納め、画像のように細工が施されたボンボニエールが、饗宴の折の引出物のひとつとして配布されるのが慣わしとなっています。
品格と質を兼ねそろえた、皇室からの小さな菓子器は、ひとつひとつ工夫が凝らされたデザインをしています。
このそれぞれの特徴によって、受け取られた方が何時、どの行事の際に皇室の宮中宴会に出席したのかがわかるのです!
2019年4月5日(金)から、5月10日(金)まで!銀座4丁目本店7階ミキモトホールにて、
日本を代表するジュエリーブランド、ミキモト主催の皇室のボンボニエール展、
「ようこそ、ボンボニエールの世界へ―皇室からのかわいい贈りもの―」が開催されます!
ひとつひとつ見ごたえのある細工の施された特別なボンボニエールが、一同に集まります!
眺めるだけで幸せな気持ちのお裾分けをしていただけそうですから、
スタッフはこの機会にぜひ足を運びたいです!
かこさん
マーティロ・マヌキアンのシルクスクリーン作品を買い取らせていただきました。
こんにちは!春分も過ぎて、走りの桜が咲いてきましたね。
日毎に開花していくのを眺めると本格的に春が来たんだなぁと思わされ、この時期は毎年浮かれてしまいます
さて、先日の買取でお譲りいただいた品物をご紹介いたします!
背景の深い青緑と人物に使われた落ち着いたベージュの色合いの対比が、複雑な模様を引き立てていて、とてもきれいですよね・・・!
こちらはアルメニア出身の作家、マーティロ・マヌキアンさんの作品。タイトルは「甘い痛み」です。
シルクスクリーンを基本としたミクストメディアで描かれています。(近くに寄るとラメがキラキラ光ります!)
F30号の、大きめの作品なので迫力もあります!
この作品をお譲りいただいたのは茨城県古河エリアのお宅です。
この他にも様々な水彩、油彩などの絵画作品、陶器人形や壺、飾り皿、ジュエリー類、また、格好いいハットやジャケットまでお譲りいただきました。
くまねこ堂は江東区にありますので、茨城県までは車で1時間半ほどかけて参りましたが、こんな素敵なお品物をお譲りいただくことが出来ました。誠にありがとうございました!
住所が少し遠いから出張買取は無理かも?とお思いになるお客様も、ご相談に乗りますので、是非、お気軽にお問合せくださいませ!
むさし
珍品・ねこのお鷹ぽっぽ
今回はめずらしいものをご紹介
お鷹ぽっぽは、秋田を代表する郷土玩具です。
鷹やニワトリが多く彫られている中で、高橋信行さんのこの猫の彫刻はとてもめずらしいものだそうです。
お鷹ぽっぽとは
魔除けや縁起物として目のするどい鷹がモチーフとしてよく見られると思いますが
この猫さんたちはお顔がほとけさまのように優しくて凛とした雰囲気です。
そしてお鷹ぽっぽの特徴である、木をうすく削りまるまったしっぽは、ちょこんと付いていてとても可愛らしく癒されました
ます
坂田泥華の花器他をお譲り頂きました!◎出張買取
横浜市戸塚区のお客様より出張買取のご依頼を頂き、掛軸・中国絵画、中国版画、中国七宝、印材、刀装具・鍔、目貫、小柄、万年筆、昭和40年代の音楽雑誌、漫画、大倉陶園、銀盃、モンチッチのぬいぐるみ、サックス、ギター、橋口五葉の版画他をお譲り頂きました!誠にありがとうございます!
今回は買取りさせて頂きました中からこちらをご紹介!
坂田泥華作の花器です。
13代坂田泥華(さかたでいか1915年~2010年)は山口県長門市深川にて、代々継承されている萩焼の伝統名跡名家陶芸家の名で、茶道をやられる方にとっては「泥華井戸」で良く知られる陶芸家です。大らかで優雅な作風はとても評価が高く、また剥離釉という、焼成時に釉薬を剥ぎ取る事により、御本風の柔らかい斑紋を表現した新技術などにも積極的に取り組みました。
この13代坂田泥華の息子は坂田慶造氏といい、ゆくゆくは父の跡を継ぎ14代坂田泥華を襲名する予定でした。が!2004年に54歳という若さで早世してしまいます。
悲しみと落胆の中、13代は自身を14代坂田泥珠(でいじゅ)と名乗り、息子を死後15代坂田泥華として襲名させました。しかしその13代(14代)も16代の後継者を決めないまま、2010年に94歳で亡くなってしまいます。なので、現在は16代坂田泥華は誰になるのか、未だ不明のままです。才能のあった跡取りの一人息子を亡くしてしまった父親の悲しみは、いかばかりだった事か・・・。
というわけで、15代、16代の坂田泥華作品が出てきたら、それは贋作なのでお間違いなく!
ちなみにこの日は帰りは雨が降ってちょっと気分が落ちかけたのですが、ふと高速から空を見上げたら虹が!!しかも二重になっていてとても綺麗でした!良い事あるかも!?
ふうき