買取事例

絵葉書、ポストカード、切手、記念コイン、和本をお譲りいただきました


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昨日は茨城のお客様より、絵葉書、ポストカード、切手、記念コイン、和本をお譲りいただきました。
また来週も続いてお招きいただけるとのことで、大変感謝しております。誠にありがとうございました。
戦前~戦後にかけてのスクラップブックを整理していましたところ、なんとも珍しい戦時中の「箸袋」が貼付されておりました!

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駅弁の包み紙や缶詰のラベルなどは過去に取り扱ったことがございましたが、戦時中の箸袋は初めてみるもので大変驚いてしまいました。といっても、彩色が施されているわけでもない、地味なものですが、見ていただきたいのは印刷されている標語!!

「明い商道 防げよスパイ」

「護る空から晴れゆく亜細亜」

「恐るな空襲 抜かるな防護」

「弛む心に食入るスパイ」

「遂げよ聖戦 防げよスパイ」

「ウッカリ一言 国家の大事」

「軍機と不平は漏らしてならぬ」

などなど…時代を如実に写し出しているのが、大変興味深いものとなっております。

1930年代後半の生活資料に目を落とすと「防諜」という言葉が盛んに使われるようになり、しまいには海や高い場所から下をカメラで撮影することも禁じられるようになり、当時の国家がとにかくスパイを恐れていたことを想像できます。

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くまねこ堂所蔵の戦時中マッチラベルより

しかし箸袋にまで標語が刷り込まれているということは「食事をする時も気を抜くな」ということと取れますが、巷にはそんなにスパイが紛れ込んでいたのでしょうか?

byこばちゃん


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【第5回】中国 国家文物局における海外持ち出し審査基準の考察(器具編)


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中国文物局の文化財海外持ち出し審査基準表からくまねこ堂流に掘り下げていくコラム、第5回の今回は「器具」について取り上げていきたいと思います。長い歴史を持つ中国ならでは、戦争、生活、民俗などのありとあらゆる器具が分類されておりますが、中国骨董の代表的なアイテムである「陶磁器」が小さく区分けされているだけというのが意外でありますね。

10器具
10.1生産のための道具   1911年以前のものは持出禁止  
例えば工業設備、器械等、近現代の生産力の発展を反映する代表的な実物 1949年以前のものは持出禁止  
10.2兵器   1911年以前のものは持出禁止  
中国製の各種銃砲 1949年以前のものは持出禁止  
有名人が使用したもの、あるいは年代・事柄の銘文があるもの 一律持出禁止  
10.3楽器 舞踊楽器用具を含む 1911年以前のものは持出禁止  
既に他界した著名な芸人が使用したもの 一律持出禁止  
10.4儀仗   1911年以前のものは持出禁止  
10.5度量衡 付属品を含む 1911年以前のものは持出禁止  
10.6法器 楽器、幡、旗等を含む 1911年以前のものは持出禁止  
10.7墓に副葬する器物 各種材質で作られた、専ら副葬のための俑及び器物 1911年以前のものは持出禁止  
10.8儀器 日時計、羅針盤、クロノメーター、天文儀、算木等を含む、天文暦計算の器機並びに科学実験器機とその部品 1949年以前のものは持出禁止  
10.9家具 各種材質の家具及びその部品 1911年以前のものは持出禁止  
10.10金属器 青銅器 1911年以前のものは持出禁止  
金、銀、銅、鉄、錫、鉛等で作られたもの 1911年以前のものは持出禁止  
10.11陶磁器 歴史的、芸術的、科学的価値を有する残片を含む 1911年以前のものは持出禁止  
官窯で作られた物、民窯で作られた款識のあるもの、年代・事柄或いは歴史的事件における象徴的な器物及びその残存物 1949年以前のものは持出禁止  
名人の作品 人名表を参照して執行  
10.12漆器   1911年以前のものは持出禁止  
名人、名工房或いは有名人の款識がある製品 人名表を参照して執行  
10.13織物・刺繍物 書画の巻物、掛け軸、画帖の包首、隔水陵等に附属するあらゆる織物・刺繍物を含む、各種織物、刺繍及びそれらで作られた製品とその残存物 1911年以前のものは持出禁止  
じゅうたん、壁掛け 1911年以前のものは持出禁止  
反物となっている各種繻子、緞子、綾絹、薄絹、紗、絹、錦、綿、麻、ラシャ、綿毛等の織物 1949年以前のものは持出禁止  
織物・刺繍物、染物等名人の作品 人名表を参照して執行  
つづれ織り、つづれ織りの毛製品(残存品を含む) 1949年以前のものは持出禁止  
10.14時計   1911年以前のものは持出禁止  
10.15煙壺   1911年以前のものは持出禁止  
名人の作品 人名表を参照して執行  
10.16扇子 扇子の骨、面を含む 1911年以前のものは持出禁止  
名人の作品 人名表を参照して執行

くまねこブログではクラニャンさんが陶磁器について執筆しておりますので、そちらも参照いただけたらと思うのですが、とにかく中国の陶磁器の種類や窯の多さは日本の比ではなく、ありとあらゆる技法の美しい陶磁器が存在しております。
その中でもやはり人気が高いものとしては、色鮮やかな文様が美しい「唐三彩」などが挙げられますね!


「唐三彩」※Wikipediaより

ちなみに「唐三彩」は生活用品ではなく、お墓の埋葬品として制作されたものだそうで、この海外持ち出し審査基準によれば「10-7 墓に副葬する器具」に該当するものと思われます。

またこの表の中には「楽器」も含まれておりますが、中国の楽器と言えばなにを思い浮かべることができるでしょうか?
代表的なものには胡弓、月琴、琵琶などが挙げられ、特に胡弓は現在の日本でも手軽に始められる楽器として人気が高いものになっていますね!
月琴や琵琶についてはなかなか生で演奏を聴く機会は少ないかと思いますが、実のところ明治時代には最もポピュラーな楽器として大変に流行したという事実が残されております。


※月琴を奏でる日本女性(Wikipediaより)

ほかにも日本の琴の原型になった古琴、三味線の元型といわれている三弦、尺八の原型とされている洞簫などなど…歴史の長い中国ならではの民族楽器が数多く存在しております。

その他には青銅器、織物、漆器、時計、兵器などなどが、この「器具」として分類される品々でございました!

byこばちゃん

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夢の永久機関!?ATOMOS(アトモス)ジャガールクルトをお譲りいただきました@世田谷区上野毛


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不老不死よりもっとリアルで現実的な人類の永遠のテーマ「永久機関」

アニメでいうとナウシカの「メーヴェ」や宇宙戦艦ヤマトなんてのが永久機関エネルギーといわれておりますが

こちらのATOMOS(アトモス)ジャガールクルトもなかなか永久機関エネルギーに近い存在なんじゃないでしょうか。
実はこの時計は空気で動いてます。

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え?と思われることでしょう。私も思いましたw

説明書をよく読んでみると
内部に膨張係数の非常に高いガスが入っており、室温が1℃変化する際のガスの堆積変化によって
なんと48時間も動いてしまうそうです:shock:
読んでもなんのこっちゃです!

ようするにとんでもなく低燃費な時計、ということでいいんでしょうか…..

しかし、最近ではスマホで時間を見る人たちが多いといいますが、やはりアナログ時計はみていてなんとなく安心できます。

 

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本当の永久機関エネルギーの秘密を見つけてしまいました…..

 

ヨシダ

 


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奥州山形鋳物の伝統を受け継ぐ日本伝統工芸士「菊池政光」の鉄瓶をお譲りいただきました@杉並区高円寺


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鉄製の調理器具に若い人たちの注目が集まり始めたのはつい最近のことだと記憶しています。

調理器具でいえば「ダッチオーブン」や「スキレット」といった鉄製のフライパンやお鍋なんかが人気ではないでしょうか。
鉄器ならではの重厚感と、テフロン加工ではかからないちょっとした手間にいとおしさを感じるのだと私は思います。

日本にも鉄器といえば南部鉄器、といえるほどの鉄器がありますよね。
こちらも最近では、鉄器=黒色、とイメージを払しょくするようなカラフルな鉄器がでていて
結婚祝いなどでプレゼントされたりなど再注目されているようです。

ただ、今回紹介するのは日本伝統工芸士「菊池政光」による鉄瓶です。
いかにも鋳物のヴィジュアルです。

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今回鉄瓶に関して調べるうちに、いわゆる南部鉄器と関西の鉄瓶というのは少し違いがあるようなのです。
何が違うのかというと
南部鉄器はフタとつまみが一体型なことにたいし
関西の鉄瓶は銅製のフタに梅のつぼみのつまみがくっついていて、なおかつ鳴り金がついている

これが構造上の大きな違いだそうで、日常使いならどちらでもいいそうなのですが
茶道で用いられる場合は南部鉄瓶ではなく、関西の鉄瓶なんだそうです。

なんで南部鉄器だとダメなんでしょうか。
フタがあっちくなりすぎてしまうんでしょうか。

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つまみの部分もかわいく(写真撮り忘れました….)

要所要所で小さな気配りのあるデザインというのはいかにも日本的な感じです。

 

ヨシダ

 

 

 

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彫金家 帖佐美行による雅楽「蘭陵王」の繊細な額装品をお譲りいただきました@東京都江戸川区


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海野清(人間国宝)を師とした彫金家「帖佐美行(ちょうさよしゆき)」の額装彫金をお譲りいただきました。

CHOSA YOSHIYUKI

 

ところで、この彫金に彫られているものをご存知でしょうか。

こちらは「蘭陵王(らんりょうおう)」と言われる雅楽の曲目の一つです。

雅楽面を初めて見たのは学生の頃ですが、日本の面というとだいぶサッパリとしたシンプルなものが多い印象だったため
「日本の伝統文化にこんなものがあったのか!:shock:
と思ったことを忘れていません。

下が蘭陵王に使われている舞楽面です。

RANRYOUOU
Wikipediaより

これは色も付いていないし、毛も付いていませんが
頭に龍まで乗せて、とてもゴージャスなお面です。

蘭陵王の由来である伝説のあらすじは、
美しすぎる声とイケメンを兼ね備えた「高長恭」という名将がいたのですが、そのあまりの眉目秀麗っぷりに見惚れてしまうと兵の士気がさがり、敵に侮られるのでは…
と、心配したため上の獰猛な仮面を必ずつけて出陣した、という話です。

どんだけ!って感じですねw

雅楽には魅力的な衣装やお面がおおいですが、以外にも舞自体はシンプル(個人的な感想です)で
どこか呪術的な雰囲気さえ感じます。

ヨシダ


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永遠のヒーロー「鉄腕アトム」アトム/ウランちゃん/お茶の水博士の特大フィギュアをお譲りいただきました。【千葉県船橋市】


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日本のウォルト・ディズニーと言われた手塚治虫さん。
その中でも鉄腕アトムは最も親しまれたヒーローの一人ではないでしょうか。

平成の世になっても、リメイクをされ当時子供だった方の子供、もしかしたら孫の世代がみても人気のヒーローアニメはなかなかないのではないでしょうか。
とはいえ、私も平成版しかしらない世代の一人なわけですが:wakaba:
アトムの魅力はやはり、ロボットでありながら人間と同じように泣いたり笑ったり怒ったりすることだできたことではないでしょうか。
今では当たり前の設定となっているアニメばかりだとは思いますが、やはりこの設定をまず考え付いたことが素晴らしいと思います。

ロボットという存在を超えて感情移入ができるヒーローでありながら、ヒーローの絶対条件ともあるべき桁はずれのスーパーパワー、痛快なまでの勧善懲悪に
子どもも大人も魅了されるんですね:hei01:

 

ヨシダ


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貴金属、お茶道具、煎茶道具、カメラ等を神奈川県横浜市港南区にてお譲りいただきました。


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これまでと毛色が変わってルーニーテューンズの特大フィギュアです。

今でも子供から大人まで親しまれて第一線で活躍する世界的人気キャラクターバッグス・バニーとルーニー・テューンズですがその歴史は古くなんと戦前から活動しています:shock:

ディズニーとよく似ているタッチの絵柄だなーと当時の幼い私は思っていたのですがルーニーテューンズはこの長い歴史の中でいくつかの作品は著作権の更新に失敗しパブリックドメインとなりました。
その中のひとつ、数ある作品の中でも問題作と言われる”All This And Rabbit Stew”というものがあります。

アメリカン・アニメーションのタッチはもともとキャラクターの特徴を誇張している場合が多いと思われますが
それが特に顕著に表れてしまい、差別的な形状にまで盛られたキャラクターが問題視され自主規制という形をとりました。
(話の内容はそこまで過激ではないのですが、大人が見ればわかるような内容です。youtubeに流れているのでぜひ見てください)

そんなこんなで、そういった表現でお蔵入りになった作品は11本。
“Censored Eleven”と呼ばれてます。

この中にはいかにも戦争中!というような作品もあり、反日プロパガンダが詰め込まれたようなものまで…

アメリカン・アニメーションの中で風刺を描くというのはもはや文化に近いものなのかもしれませんね。

ヨシダ


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洋食器、カップ&ソーサー、絵画・小暮真望リトグラフ、万年筆を買取りさせていただきました@千葉市美浜区磯部


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洋食器、カップ&ソーサー、絵画・小暮真望リトグラフ、万年筆を買取りさせていただきした。
この度はお譲りいただきまして、誠にありがとうございました。

mizuki shigeru gegegenokitarou

 

本日は水木しげる「ゲゲゲの鬼太郎」の等身大フィギュアです。

水木しげるといえば、ゲゲゲの鬼太郎です。

妖怪などを含むその土地の妖怪伝承についての文章を書いたのは、遠野物語で有名な柳田国男さんですが
水木先生も当然、作品を作るうえで柳田国男は外せない人物だったらしく
ある書籍のあとがきで「柳田国男の妖怪談義は愛嬌があっていいけど、形がないので全部ぼくが作った」と言っています。

その本こそ「妖怪画談」です。
私も前から思っていたのですが、日本の妖怪は、西洋の妖怪に比べると、水木先生がおっしゃるように確かに愛嬌がありますよね。

不気味で、ときに悪さをしてくる存在だけど、どこか憎めないしむしろ親近感がわいてくるというのは日本の妖怪独特の存在感のような気がします。
もともと妖怪は人間が作りだした、自然に対する恐怖や、形がないものに対する不安などが想像力によって描き出されたものではありますが、
本来自然を悪いものだと考えない日本人のアミニズムな感覚から生み出された妖怪だからこそ愛嬌があるのかもしれませんね。

 

ヨシダ


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大型フィギュア(手塚治虫、水木しげる、横山光輝のマンガキャラクター多数、バックスバニー、トゥイ―ティー他)、ソフビ人形、ミニカー、玩具等、コレクターアイテム、レトロ雑貨を多数お譲りいただきました!@東京都北区


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tezuka

手塚治虫の大人気コミック、リボンの騎士からサファイアの特大フィギュアです。

話のあらすじは省きますが、王権がかかっているためとはいえ王子の格好をしなくてはいけない主人公サファイアですが
実はフリルやかわいいドレスが大好き。話の要所要所で描かれる抑えきれない乙女心のサファイアが本当にかわいいストーリーです。

近年は少女漫画でも、ものすごい怪力やスーパーパワーを駆使して戦う主人公が多いのですが、サファイアはあまりそういうのはありませんw

あくまでも可憐でかわいく、運命に翻弄されていく。
リボンの騎士は王道のベタベタの少女漫画と言えます。

 

ヨシダ


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【第5回- ②】「汝窯天青釉洗」、香港サザビーズにて●●億円で落札!!


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こんにちは~クラニャンです♪

昨日は、汝窯を考えるシリーズ第5回「これが汝窯…?」と題し、①青白磁(景徳鎮窯)=汝窯ではないか?という、20世紀初頭のイギリスで提唱された説をご紹介しました。
本日はその続きとして、②耀州窯=汝窯?という説について考えてみたいと思います。

【第5回】これが汝窯…?
     20世紀前半における汝窯像の変遷

②耀州窯=汝窯?(1931年~50年代頃)
1931年2月、原田玄訥(はらだげんとし)師という西本願寺の僧侶が中国で大きな発見をしました。
河南省の臨汝窯(りんじょよう)という古い窯跡を調査中、:hoshi1:青磁の陶片:hoshi1:を見つけたのです。
なんでお坊さんがやきものの調査をしているの?と思われるかもしれませんが、こちらは同じ本願寺派の法主 大谷 光瑞(おおたにこうずい、1876-1948)師 ↓から与えられたミッションでした。

大谷 光瑞

大谷 光瑞師(Wikipédiaより)

大谷師は仏教資料の研究のため、西域の調査を精力的に行った人物として知られています。
3度にわたり派遣された「大谷探検隊」(1902-14年)↓ は、シルクロード研究を大きく前進させたことで有名ですね。

大谷探検隊

大谷探検隊(龍谷大学文学HPhttp://www.let.ryukoku.ac.jp/about/isan.htmlより)

 

さて大谷師の命で発見された青磁の陶片ですが、当時の日本人はこれこそが汝窯だろう!と考えました。
原田師が調査した河南省の臨汝窯(りんじょよう)は、現在ではおとなりの陝西省で発見された耀州窯(ようしゅうよう)の一系統とみなされますが、その作風は次のようなものでした。

耀州窯

愛知県陶磁資料館HP「中国陶磁器生産地地図」に加筆

耀州窯

《青白刻花牡丹唐草文瓶》耀州窯、北宋時代、大阪市立東洋陶磁美術館(『聚美』Vol.22、46頁より)

 

なんと、今まで見てきた青磁とずいぶん印象が違いますね~Σ(・ω・ノ)ノ!!
オリーヴグリーンの釉薬がシャープな彫り模様に溜まり、なんとも渋い風格を醸し出しています。
当時の人々は、このような厳しさをたたえた造形こそが宮中の御用品に相応しい美だと考えたようです。

しかし、北宋の皇帝が目指した青磁は「天青色」であったはず。
「天青色」とは、「雨過天青 雲破処(うかてんせいくもやぶるるところ)」という言葉から生まれた色名です。「雨上がり、雲のあいだからのぞく空の青」という意味ですね。

雨過天晴

大阪市立東洋陶磁美術館HP(http://www.moco.or.jp/exhibition/past/?e=366)より

 

北宋に先立つ後周時代、皇帝の柴栄(さいえい)が理想の青磁の色をこのように表現し、その実現に尽力するよう御用窯に命じられたと伝えられます。
しかし、天空のような澄んだ青色を出すのは至難の業。それをやっと実現させたのが、北宋8代皇帝の徽宗がつくらせた汝窯青磁だと言われています。

柴栄や徽宗は、雨上がりの青空を国難を乗り越えて得られる平和の象徴とみなしていたそうです。
そう考えると、耀州窯のオリーブ色はちょっと違うのではないかな~と思いませんか?
深みのある素敵な色味ですが、雨上がりの空がこんな色だったらちょっと嫌かも…(;´・ω・`)

でもわが国では、このような耀州窯の作品を汝窯とみなしていた時期があったんですね。

次の第6回はいよいよ、これらの先行する汝窯像を覆し、その実像に迫ったパーシヴァル・ディヴィッド卿の功績についてご紹介します(^▽^)/

 

By クラニャン

なお、耀州窯に関してましては、出川哲郎氏「耀州窯の青磁について」という記事に詳しく説明されています。
(大阪市立東洋陶磁美術館HP http://www.moco.or.jp/journal/171/
ご関心のある方、ぜひご覧くださいませ。

 


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詳しくは対応エリアをご確認ください。

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