買取事例

切手の買取もできます🌸

本日は少し肌寒いですが桜の花も咲き始め、いよいよ春めいてきましたね。
皆様いかがお過ごしでしょうか。

先日は、川崎市幸区のリピーター様のもとに、出張買取に伺いました!
切手・金券をたくさんお譲りいただきました!大変ありがとうございます。

くまねこ堂では古本やDVD/CD、だけではなく、古道具や骨董品、アクセサリー、レコードや古いおもちゃ、また切手の買取も行っております🐈
単片・お年玉年賀シート・小型シート・記念切手・バラ・ストックブックなども買取いたしますので、ご処分をお考えのお客様は、是非くまねこ堂までお申しつけ下さい!

さて、この度のお譲りいただきました切手を少しご紹介しましょう。
まず、以下のような、記念切手がございました。

切手 買取

上は天皇皇后訪米記念のもの、下は札幌冬季オリンピックのものです。私の生まれる前のものです。

切手 買取

こちらは幼稚園100周年の記念切手。かわいらしい絵柄です。

日本の古典芸能を題材にした、こんな切手もあります。

切手 買取

左は能の曲目の一つ「田村」の一場面、右は文楽の作品である新版歌祭文より、野崎村の段の一場面です。

切手 買取

切手 買取

こんな切手もございました。吉祥天像の切手は、きれいだなあと目が留まりました。

お客様ともお話したのですが、切手は、改めて見ると、本当に様々な絵柄があります。
私も、誰に、どんな手紙で送るかや、季節に合わせて、切手を選ぶのは好きです。
眺めているだけでも楽しいです。

そして今回気づいたのは、切手を集めていったなら、それだけで一つの記録になるのだということです。
その時代に、何を切手にするかは、厖大な事柄の中でどうしてその絵柄にするのかという意味で、とても選択されたものでしょう。
その選択の背景や意味に思いをはせるのも、面白そうです。

切手の世界の奥深さに触れました。

 

本日もお読みくださりありがとうございました。

コトー


人気ブログランキング

年代物♪マネキン等人形のカタログや人形展資料📖をお譲り頂きました。

先日は中央区日本橋箱崎町の企業リピーター様より、
錫の茶壺、大倉陶園花瓶、日本人形、贈答品、ギフト、
現代作家美術品、洋画、置物他をお譲り頂きました。

ご利用誠にありがとうございました!
また社内のご整理のお役にたてたのであれば、とても嬉しいです!!

=========

本日は、
マネキン等人形のカタログや人形展資料をお譲り頂きましたので、ご紹介させていただきます。

 

人形 ドール 紙もの資料 買取

ディスプレイの吉忠マネキン様の1971の商品カタログと、
丁度、バービー人形等の着せ替え人形(ファッションドール)の流行の先駆けの頃でもありました、
1959年に開催された「世界の人形展」の冊子の一部を、画像と共にお届けいたします📷

ではまず、マネキンのカタログを!

昭和 紙物資料 出張買取

うほっ!イイ女とイイ男がいっぱい~~🌹🌹

尚、先程リンクを貼らせていただきました
吉忠マネキン株式会社様は
”島津製作所よりマネキンの製作販売権を得て、
吉忠株式会社(1875/明治8年創業)マネキン課として発足”(公式HPより抜粋)
されたそうなのです!!

島津製作所ってこんな痒い所に手が届くような商品にも目を光らせていたのですね。

流石島津家です!!万能すぎる。恐ろしい子・・・!!
 
※私の中のベストオブ島津家を演じた俳優
(大河ドラマ西郷どんの島津斉彬を演じられた渡辺謙さん)が
イケオジの渋い笑みで「フフッ」と脳内で笑っています。
実際は会社様の発足が斉彬の息子、忠義の頃だったので、
斉彬さんは関係ねぇ~のかもしれませんが、私の脳内島津家の妄想をお許しください。

昭和 紙物資料 出張買取

お座り型のマネキンさんもいました。
ズボンを履かせるのは大変そうだ。

そして全体的に髪型にこの時代の流行が意識されていることがよく解ります。
髪型図鑑としても楽しめます!

あと、こんな変わり種もありました。↓

昭和 紙物資料 出張買取
宇宙人ですか!?👽

なんかちょっと青い!!
そしてお目目が大きくて、少女漫画の白目みたいになってます。恐ろしい子・・・!!

 

昭和 紙物資料 出張買取
男性のマネキンのラインナップには、
なかなかもじゃもじゃの髭が生えているお顔の方もいらっしゃいました。
ついでに眉毛までもっじゃもじゃ!!
ここまで毛量があるのを見たら剃りたくなっちゃうじゃない✂!!!

 

続きまして、世界の人形展の資料なのですが。。

昭和 紙物資料 出張買取

 

 

昭和 紙物資料 出張買取

 

昭和 紙物資料 出張買取

モノクロ印刷の資料だったからですね、
その全てに、手書きで色を書いてあったのです。恐ろしい子・・・!!

もしかしたら、当時は当たり前の作業だったのかもしれませんが、、
この資料を拝見いたしましたら、
今、様々な写真資料へのカラー印刷が普及している事への
有難みがふつふつと湧いてきました。

(いつも自分自身が、まるで
当たり前のように享受してしまう幸せに、
また気が付かされてしまった…🙇

古いものを拝見すると、こういう事がしばしば見られます。

いつも感謝を忘れないって、
ほんっと、私、出来ない!!( ;∀;)
私のクズ野郎!馬鹿野郎!)

マネキンも世界のお人形も、
そして当時この資料を片手に色を記入された持ち主だった方も、
皆、色んな意味合いで恐ろしい子・・・!!

ここで問題です。
この記事に全部で何回「恐ろしい子・・・!!」と書いたでしょうか。

恐ろしい人がいっぱい登場しました。

お譲り頂きまして、誠にありがとうございました🚙✨

かこさん

 


人気ブログランキング

大量買取!ブランドギフト品、陶磁、漆器、リトグラフなど多数お譲りいただきました。

いつもくまねこ堂ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。

 

引っ越しのシーズンでございますが、急なご整理などがございましたら、是非くまねこ堂までお気軽にお問い合わせくださいませ。買取をご希望されるお品物の内容やスケジュールなど条件が合いましたら、即日で出張買取にお伺いする事も可能です。大量の買取も大歓迎です!どうぞよろしくお願いいたします。

 

本日は横浜市南区のお客様よりご家族のご遺品整理でご依頼をいただき、出張買取にお伺いさせていただきました。広い玄関に入った途端、廊下から居間まで大量の桐箱やギフト品、額装品、食器類、お香類の数々が並べられており、端から買い取り品や気になるお品物などを店主が丁寧にお客様にご説明をしながら査定を進めさせていただきました。店主が古いおもちゃなども丁寧に確認しておりますと、お客様より「こんなにしっかり見てもらえるとは!」とのお喜びの言葉をいただけて、こちらも非常に嬉しい気持ちにさせていただきました。

 

今回様々なお品物を拝見させていただき、ブランドギフト品、ミキモト、平安堂、象彦、漆器、酒井田柿右衛門、塚本快示、深見陶治、原田泰治、中川一政、田中一村、リトグラフ、銀製品、深川製磁、香蘭社などなど、ハイエース一台分満載、大量に買取をさせていただきました。誠にありがとうございます!

 

こちらは今回大量にお譲りいただいたお香や線香などの一部になります。

IMG_6114

IMG_6115

IMG_6119

IMG_6111

IMG_6112

 

三ツ重の銀杯もお譲りいただきました。誠にありがとうございます!

IMG_6122

IMG_6123

IMG_6124

 

くまねこ堂では古本、CD/DVDなどのご整理はもちろん、古道具や骨董品からレコードや古いおもちゃなどなど、様々なお品物の買取を行っております。ご処分をお考えの際はお気軽にご相談下さいませ。また、ご遺品整理などでお困りのお客さまは、是非くまねこ堂までお申しつけ下さいませ。

 

お電話またはメールフォーム、LINEにて、お気軽にお問い合わせ下さいませ。スタッフ一同心よりお待ちしております!

 

 

 

56さん

 

 

 


人気ブログランキング

1963年発行コインや紙幣などの販売型録をご紹介いたします。

いつもくまねこ堂ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
ようやく暖かくなってきましたね。桜の開花ももうすぐでしょうか、待ち遠しいです。

 

 

今回は先日入荷いたしました大変珍しい1960年代のコインや紙幣、勲章などの販売型録をご紹介させていただきたいと思います。

IMG_5258

IMG_5259

 

こちらは大阪にございますナミヤコイン店が1963年に販売していた販売型録(カタログ)になります。表紙に1963~4号とあり、裏表紙には38.9.20発行とありますので、昭和38年(1963年)9月に発行されたカタログのようですね。価格は一部40円となっております。

IMG_5260

 

中を開きますと、まず明治・大正・昭和の近代銭の販売価格が一覧で細かく掲載されています。それぞれ年別に細かく価格が出されていますね。ページ左の一圓銀貨ですが、全体的な傾向といたしましては年代が古くなるごとに価格が高くなっているようなのですが、明治7年が26000円なのに対し明治8年は15万円と超高額価格となっております。明治8年は発行枚数の少ない特年と呼ばれているそうで、当時も、そして現在もこの年の一圓銀貨は非常に稀少なものとなっているのだそうです。

IMG_5261

 

続いては明治以前の古銭一覧です。小判が群を抜いて高値なのがわかりますね。享保小判は45000円となっております。1960年代の貨幣価値を現在に換算しますと4倍以上になるそうですので、こちらもかなりの高額ですね。その他にも朝鮮銭、中国銭、安南銭などの古銭も細かくリストされております。

IMG_5262

IMG_5263

 

紙幣も普通の日本札の他に、軍票、台湾や満州の紙幣などが掲載。日本のお札ですと明治時代に発行された裏面に大きくイノシシが描かれた十円札やすかし大黒の5円札、外国のお札ですと台湾銀行発行のものなどが高額のようですね。その他、宝くじや記念タバコ箱といったものもリストされております。

IMG_5265

 

こちらは外国銭です。アメリカ、イギリス、オランダなどの欧米諸国のものから、中国、朝鮮、インドなどのアジアのものまで様々な国の古いコインが掲載されています。比較的高値になっているアメリカの貿易1ドル銀は、トレードダラーと呼ばれる1873年~1885年にアジアとの貿易のために作られた1ドル銀貨で、当時のメキシコ銀貨に対抗するため量目を引き上げたのものなのだそうです。そして近年値上がりの激しい中国のコインは1000円台~2000円台くらいとまだまだ高騰の気配はございませんね。

IMG_5266

IMG_5267

IMG_5268

IMG_5269

 

60年ほど前の型録ですがコインや紙幣などの販売価格が細かくリストされ、当時から高価だったものや大きく価格の上がったものなど、現在と色々と比較しながら拝見し大変貴重な資料となりました。

 

============================

 

くまねこ堂では古本、CD/DVDなどのご整理はもちろん、今回ご紹介いたしましたや古銭や古い外国のコイン、古道具や骨董品からレコードや古いおもちゃなどなど、様々なお品物の買取を行っております。ご処分をお考えの際はお気軽にご相談下さいませ。また、ご遺品整理などでお困りのお客さまは、是非くまねこ堂までお申しつけ下さいませ。

 

お電話またはメールフォーム、LINEにて、お気軽にお問い合わせ下さいませ。スタッフ一同心よりお待ちしております!

 

 

56さん

 

 

 


人気ブログランキング

太田じろう🎀こりすのぽっこちゃん!色紙とのご縁を頂きました。

先日は都内中央区省庁からの役務の為、訪問をさせて頂きました。
いつもありがとうございます。店主、スタッフともに緊張しながらの役務でしたが、
ご親切にしていただき、ありがとうございました。

くまねこ堂では
様々な行政様、企業様、団体様、施設様等からの出張査定・買取のご相談を頂き、
資産整理や資料整理等にお役立てをいただいております。
個人様からのご依頼も大歓迎です!
御依頼、ご相談は当店メールフォーム、フリーダイヤル、LINE査定から、
是非一度、お声かけ頂けましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

~~~~~~~~~

 

太田じろう関連のブログを書いて、まだ日が浅いかもしれないのですが、
ありがたいことに、またご縁がありましたので、ご紹介をさせていただきます🌷✨

 

太田じろう 直筆イラスト 色紙

まるっこ~~い(*´ω`*)

「こりすのぽっこちゃん」は1959年に小学館漫画賞を受賞した
幼稚園~小学校低学年向けに出版された漫画や絵本の主人公です。

当時、小リスの女の子が様々な動物の皆さんとほんわかしたやりとりを行うストーリーに、
癒された方も多いのではないでしょうか。

 

太田じろう 直筆イラスト 色紙

しかし、、、
もう50年以上前(!)のキャラクターとは。

魅力が色褪せない!!

太田じろう 直筆イラスト 色紙

経年ヤケシミはありますが、
直筆サインとイラストを拝見できて嬉しく思いました!!
ありがとうございました。

 

かこさん

 

 


人気ブログランキング

お酒の買取もできます!!

本日もくまねこ堂ブログをご覧いただきありがとうございます。

 

先日は埼玉県入間市のお客様からご遺品整理ということでご連絡いただき即日出張買取に伺いました。

国産ウイスキー、サントリー山崎、純文学、ギフト、贈答品、昭和レトロ、コップ、レコードなどをお譲りいただきました!

誠にありがとうございました。

この度お譲りいただいたサントリー山崎です。

こちらは12年になります。

出張買取に伺った先でお酒も買い取れる旨をお伝えすると驚かれるお客様も多いですが、中には良いお値段を付けさせていただける場合もございます。

今回の山崎では18年、25年などは値段が上がっているとのことです。

ご整理やご処分をお考えでお酒をお持ちのお客様、もしかしたらお宝が眠っているかもしれません…!

 

 

くまねこ堂では今回の事例のようにタイミングさえ合いましたらご連絡をいただいた当日の出張買取も承っております。

早急なご処分やご整理をお考えのお客様も是非お気軽にお電話やLINE、メールフォームからご連絡ください‼

古本はもちろん、アクセサリーや古道具、食器、切手、古銭、お酒など幅広いジャンルのお品物を査定いたしますので、今回のようなご遺品買取もお任せくださいませ。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

トリ

 

 

 


人気ブログランキング

井町勇『航空機の負荷と所要強度』(山海堂出版部、1944年)~数学と工学はパイロットの生死と向き合う

 いつもくまねこ堂ブログをご覧いただきありがとうございます。

 先日来、戦争に関する書籍を紹介してきました。前回は、宮本晃男『自動車と戦車の操縦』(育生社弘道閣、1942年)を取り上げ、戦時日本の自動車をめぐる事情に若干ふれました。今回は、航空機に関する本が入荷しましたので、それを紹介します。

===
くまねこ堂では幅広いジャンルの書籍、古道具などの査定、買取に取り組んでおります。バーコードのある本だけ買い取りしたい古本屋さんもおられるかもしれませんが、当店ではそうではない古書や全集など、分け隔てなく買取いたします。そうした貴重な書籍や物品は、骨董ブログで紹介していきます。本ページのフリーダイヤルやLINEなどより、お問い合わせくださいますと幸いです。
===

井町勇
井町勇

 井町勇『航空機の負荷と所要強度』(山海堂出版部、1944年)です。著者の井町勇は、名古屋帝国大学教授で、軍用機の設計者として知られた人物です。ただ、それ以上のことは詳しくはわからなかったのですが、最近、以下の記事が発表されました。2021年5月10日の時事通信に掲載された、「『B29を迎撃せよ』幻の軍用機研究所を追う スペースジェット開発の舞台に消えた戦時組織」という歴史を扱った記事です(※)。この記事は、戦時期に軍用機開発を担っていたはずにもかかわらず、その実態が知られてこなかった「名古屋航空研究所」の足跡をたどったものです。この「名古屋航空研究所」との関係で井町勇も同記事において、「メーカーからは、川崎航空機で多くの軍用機を設計した井町勇技師のほか、三菱重工業名古屋航空機製作所、愛知航空機、中島飛行機などの技師が研究員として参加していた」という形で登場します。

https://www.jiji.com/jc/v4?id=20210507spacejet0001

 なお時事通信の記事は、國學院大學図書館所蔵の「井上匡四郎文書」を活用したとのことです。井上匡四郎は、時事通信の記事で書かれている通り、「海軍政務次官や鉄道相を歴任後、「技術院」の初代総裁を務めた」人物で、戦前の日本の科学技術政策の担い手の一人でした。井上匡四郎については、冨塚一彦「『井上匡四郎』文書にみる政治家井上匡四郎」『國學院大學紀要』第4号(1992年3月)という史料紹介論文があります(※)。ここでは、科学技術と政治との関係を考える上で貴重な史料が取り上げられています。井町勇については詳しいことは述べられませんでしたが、今回のブログ作成に際して、井上匡四郎という思わぬ大物の登場に驚いています。

https://kaiser.kokugakuin.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=v3search_view_main_init&block_id=296&direct_target=catdbl&direct_key=%2554%2543%2530%2531%2535%2535%2536%2538%2534%2533&lang=japanese#catdbl-TC01556843

 さて、井町勇による『航空機の負荷と所要強度』は、以下の画像の通りで、数学および工学の書というべきでしょうか。

 とはいえ、何やら難しそうな数式や図形が並んでるからといって、本書が空理空論であるとはいえません。井町は軍用機の設計、それも機体にかかる負荷と格闘し、どれほどの強度が必要なのかを解明しようとしているからです。序文にも実際の経験を無視した「科学」ではあってはならないとの戒めが看取されます。何より機体の破壊を防ぐことが、井町の学問に課せられた課題であったのです。

井町勇

 当然ながら、そこでの数学、工学の応用は、パイロットの命を守ることもあれば、敵のパイロットを殺すことにもつながります。命の現実に数学と物理学を通して向き合った井町勇とは、どのような人物だったのでしょうか。それほどの人物にしてみれば、日本がアメリカとの戦争をで勝つことなど、原理的にも物理的にも不可能であることぐらいわかっていたようにも思われます。できることなら、彼のことをより詳しく紹介したいと考えています。

 井町勇について、また新たなことがわかりましたら、このブログでも取り上げたいと思います。

小野坂


人気ブログランキング

宮本晃男『自動車と戦車の操縦』(育生社弘道閣、1942年)~国民は全員自動車を運転しろ/物資がないから民間用の自動車は製造しない!? #戦争 #石油

 いつもくまねこ堂ブログをご覧いただきありがとうございます。

 ロシアのウクライナ侵攻において、市街戦が激化の一途をたどっています。1914年に勃発した第一次世界大戦以来、戦争が軍人も民間人も関係なく暴力と悲劇の連鎖に巻き込んでいく度合が増してきています。ウクライナからは遠く離れたように思われる日本も、グローバル化した経済の一部ですから、今回の戦争と無縁ではいられません。経済メディアのブルームバーグによりますと、「ロシアは西側諸国の制裁に対抗するため、一部の物品や原材料の貿易を禁止・制限する命令を出した」とのことです(※)。産油国ロシアの判断は、エネルギー資源を輸入に頼っている日本の運命を左右する影響力があります。

※【ウクライナ】ロシア軍のキエフ砲撃激化、北東部スミの住民退避(ブルームバーグ、2022年3月8日)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-03-08/R8ELTCT0AFBD01

 そこで、反戦の意思表示として、このブログでも戦争の恐ろしさをいくらかでもお伝えしようとしてきました。3月5日の古書ブログのほうでは、第二次世界大戦に関する研究書を紹介しました。そこでは、近代兵器の恐ろしさと、そこに人間の妄想や狂気が結びついたときに生じる暴力についてふれました(※)。骨董ブログのこちらでは、戦時中日本で発行された自動車と戦車の本を取り上げていきます。

※イアン・カーショー『運命の選択1940-41』河内隆弥訳(白水社、2014年)が入荷しました #第二次世界大戦 #ウクライナ危機 #歴史認識(くまねこ堂古書ブログ、2022年3月5日)
https://www.kumanekodou.com/28904/

 宮本晃男
 宮本晃男

 宮本晃男『自動車と戦車の操縦』(育生社弘道閣、1942年)です。著者の宮本晃男(てるお)は、1907年生まれ(1992年没)の航空機、自動車の技師、評論家としてこの分野で膨大な著作をものしています。まずは『自動車と戦車の操縦』の「緒言」を確認してみましょう。

===
 国民皆兵の国に生を享け、時将に大東亜共栄圏の確立と世界平和の樹立に邁進する帝国臣民は老幼男女を問はず、何人も自動車の操縦を心得て置く事が国民の責務であり、武士の子女が乗馬、薙刀、銃剣術等修行を怠らなかつたと同様、重要なることと考へ、茲(ここ)に我国は勿論世界各国にも稀な『自動車と戦車の操縦』に関する著を志し、小型及普通自動車から特殊自動車戦車等の全般に亙(わた)つて其の操縦を記述したものである。
===

 という調子で、自動車を運転できないものは非国民といわんばかりの導入となっています。国民が普段から自動車の運転に慣れていれば、いざ徴兵されたときに、瞬時に戦車の操縦士や戦闘機のパイロットとして活躍することもたやすいだろう、という話なのでしょうか。戦争は、人々の暮らしを隅々にまで影響をおよぼしていきます。

 とはいえ、戦争は、自動車に乗れない奴は非国民だと人々を追い立てただけではありません。戦時中日本に対するアメリカをはじめとする各国の輸出制限や禁止によって、自動車の原料や燃料が不足していきました。そこで当時の日本は民間用の自動車の製造を制限するようになったのです。これでは国民だろうと非国民だろうと、普段から自動車に乗れないではありませんか! 軍事目的の産業が、一面で国家の経済を回す力があるとしても、戦争は結局のところ、自動車の運転を進めながら、民間用の自動車の製造は制限するというような形で、ちぐはぐな事態を招いてしまいます。こうした矛盾が生じたことは、戦争の教訓ではないでしょうか。

宮本晃男

 また、自動車は多くの部品の複雑な組み合わせによって成り立っています。自動車の壊し方は何通りもありますが、それが支障なく走る組み合わせは一つしかありません。人々の暮らしや、国家あるいは世界の経済も、自動車と同様に多くの要素が複雑に交わることで成り立っています。自動車の仕組みを学び、その複雑性に心を奪われたなら、戦争を支えるためではなく、人々の暮らしを豊かにするためにその技術や知識を用いるべきではないでしょうか。もっともこの程度の教訓など、戦後日本の技術者であれば常識であったのかもしれません。戦争のために用いた自身の能力を、戦後は経済発展のために使おうとしたはずで、本書の著者宮本晃男もその一人なのかもしれません。ただそうなると、戦時中の経験をさっぱりと清算するのではなく、彼ら技術者らはそれを引き継いで経済発展を成し遂げた、という見方もできます。戦争協力とその後の高度成長の対比だけでなく、両者の微妙な関係に思いをめぐらすことが、戦争と平和について考えるための第一歩となるのではないでしょうか。

 くまねこ堂では幅広いジャンルの書籍、古道具などの査定、買取に取り組んでおります。バーコードのある本だけ買い取りしたい古本屋さんもおられるかもしれませんが、当店ではそうではない古書や全集など、分け隔てなく買取いたします。そうした貴重な書籍や物品は、骨董ブログで紹介していきます。本ページのフリーダイヤルやLINEなどより、お問い合わせくださいますと幸いです。

小野坂


人気ブログランキング

アルバニア社会主義人民共和国の指導者、エンベル・ホッジャ著の日本語訳が入荷しました~衝撃のアルバニア外交!

 ロシアのウクライナ侵攻に対する批判が、国際社会で高まっています。先日も、アルバニアがロシア、ウクライナ両国の大使館がある通りの名称を、ウクライナの抵抗を称える意味で、「自由ウクライナ」に変更するとの発表がありました(※)。

※アルバニア、ロシア大使館がある通りを「自由ウクライナ」に改称(ロイター、2022年3月6日)
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-albania-street-idJPKBN2L30B0

 アルバニアは、バルカン半島の一国で、南側はギリシャに接しています。またアドリア海を挟んでイタリアにも面しています。アルバニアもウクライナ同様、反ファシズム戦争の歴史を持ち、かつ旧ソ連、ロシアと因縁浅からぬものがあります。アルバニアの話題を挙げたのは、タイムリーにも、以下の本が入荷したからです。

アルバニア労働党

 左が、エンベル・ホッジャ『アルバニア労働党第7回大会における報告』日本共産党(左派)中央委員会訳(人民の星社、1977年)、右は、エンベル・ホッジャ『修正主義と戦うアルバニア労働党』マルクス・レーニン主義文献翻訳グループ(人民の星社、1978年)です。

 第二次世界大戦中のアルバニアは、独伊に対する抵抗運動をソ連軍とともに貫徹し、1944年に全土解放、1946年にアルバニア人民共和国(1976年からアルバニア社会主義人民共和国)建国を宣言しました。この政権の指導者が、上記書籍の著者である、アルバニア労働党第一書記のエンベル・ホッジャなのです。

 ホッジャ率いる第二次世界大戦後のアルバニア外交で目を引くのは、ソ連、ユーゴスラヴィア、中国といった共産主義陣営諸国との協調関係…ではなく、立て続けに上記諸国と対立していったことです。それゆえに、「ホッジャ主義」と呼ばれる独特の路線は、たとえば日本共産党(左派)などの非主流派の共産党員というファンを得ることになったのでしょう。

アルバニア労働党▲ホッジャ『アルバニア労働党第7回大会における報告』の「刊行にあたって」

 そうした大国に従属することを拒んできたアルバニアが、現在のロシアによるウクライナ侵攻に対してウクライナ支持を鮮明にしたことは注目に値します。アルバニアの歴史についての手がかりは、日本語文献ではやはり上記の2冊です。明らかに党派的な偏りが感じられますが、そのような偏りを具体的に知ることこそ、アルバニアの歴史を理解する上で避けては通れないのかもしれません。

 冷戦が終結して30年余りが経過しましたが、社会主義の歴史が今日の情勢に与える影響は、私たちの想像以上に大きいのではないでしょうか。

===
 くまねこ堂では幅広いジャンルの書籍、古道具などの査定、買取に取り組んでおります。バーコードのある本だけ買い取りしたい古本屋さんもおられるかもしれませんが、当店ではそうではない古書や全集など、分け隔てなく買取いたします。そうした貴重な書籍や物品は、骨董ブログで紹介していきます。本ページのフリーダイヤルやLINEなどより、お問い合わせくださいますと幸いです。

小野坂


人気ブログランキング

贈答品・和食器などをお譲りいただきました!🌸

まだ肌寒さは続いていますが、梅の花は大分見頃となりました。

気づけば三月も半ば、新しい生活の準備をなさっている方も多いかもしれません。🌸
お引越しなどで、ご整理を考えていらっしゃる方は、お気軽にご相談下さいませ。くまねこ堂では古本、CD/DVDなどはもちろん、古道具や骨董品、レコードや古いおもちゃなどなど、様々なお品物の買取を行っております!🐈

さて、先日は江東区南砂への出張買取がございました。ご自宅のご整理をなさっているということで、贈答品・ギフト・洋食器・和食器、また漆などの塗物などをお譲りいただきました!
他にも、古本・CD・DVDに加え、アクセサリー・カメラといったものまで、たくさんお譲りいただきました!

このような御香もいただきました!

御香 買取

高級感があります!

上品な食器などの生活用品から、持ち主の方とそのご家族が、大事にこだわりを持って使っていらっしゃったのだろうということが伝わってきました。
そのような品物を見ていると、個人的なことで恐縮ですが、私の祖母の、お茶道具や食器への愛着を思い出しました。

大切にされていた物々を、次に使われる方へ渡すお手伝いができましたのなら、幸いです。

本日もお読みくださりありがとうございました。

コトー


人気ブログランキング

くまねこ堂 出張買取対応エリア

関東を中心に承っております。
詳しくは対応エリアをご確認ください。

PAGE TOP