買取事例

切手という小宇宙|中国切手のご紹介です

 

 最近あげさせていただいています、以前お譲りいただいたお品物のご紹介です。今回は中国切手のご紹介に伴い、当時それをどう購入したのかについても興味深かったのでお伝えできればと思います。

中国切手

サッカー、水泳、円盤投げ、バレエ、卓球など可愛らしい絵柄が描かれています。こういった絵は、切手特有な画風に感じられます。切手の小さな面積に絵を描くというのはかなり特殊な作業なのでしょう。それにあったスタイルというのが求められる。だからこそ切手には熱心なコレクターの方が集まるのだと思います。

 

 くまねこ堂では中国切手の買取にも力を入れております。今回は切手に関連して、当時それがどのように販売されていたのかについてもご紹介できればと思っております。

スポーツ切手セットの販売に関する新聞記事

 こちらは昭和54年7月11日の新聞記事の切り抜きでございます。以前こちらの中国切手を買取させていただいた際に、こちらの記事も大事に保管されていたようです。簡単に言うと中国のスポーツ切手セットの郵送サービスの広告記事でございます。合計47種の切手セットが郵送にて購入することができるという内容になっております。

 調べたところ切手にはエンタイア、つまり実際に使用されたスタンプが押されたもののほうが価値が高いということがあるそうです。[entire 完全な、無傷の] といった意味があります。確かに切手は郵送するためにあるのですから、使われて(その証としてスタンプが押されて)初めて完成するというのは理にかなっているように思います。
 この記事の第二段落に戻ってみましょう。「未使用切手に軽くスタンプを押した注文消し切手セットです。みなさんに喜んでいただけることでしょう。」と書かれております。
 これはやはりエンタイア風にした方が、コレクターの方に喜んでもらえるという意図で手間をかけてスタンプを押し、注文消し(使用できなくすること)にしたのでしょう。「軽く」押してあるところにその愛への配慮が感じられます。

中国切手

 たしかによく見てみると、どれも使用されたように見えるスタンプが押されております。

 

中国切手
 スポーツ切手は僕もたまたまですが持っています。東京蚤の市に行った際になぜか欲しくなり買ってみました。スポーツ切手というのは動く人間の肉体や、人間が営んできたスポーツというものの文化的価値を人目に感じられる点が魅力的に思います。「最小の面積に表現される最大の美術品」と評されることもあるそうですが、構図の取り方や色合い、また何より多くの人が使うものですから、万人に愛される絵柄である必要があるかと思います。
 そんな制約があるからこそ、一般的な芸術作品に比べると愛するゆとりみたいなものが生まれているように感じました。

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くまねこ堂では、古本やDVD/CDの他にも、古道具や骨董品、アクセサリー、切手、万年筆、レコードや古いおもちゃなどなど、様々なお品物の買取も行っております。
ご処分をお考えの方、またご整理などでお困りのお客さまは、是非くまねこ堂までお申しつけ下さいませ。お電話またはメールフォーム、LINEにて、まずはお気軽にお問い合わせ下さい!スタッフ一同心よりお待ちしております!

小野

 


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関東大震災の絵はがきを紹介します

 いつもくまねこ堂ブログをご覧いただきありがとうございます。

 最近入荷しました、戦前日本の絵はがきを紹介します。今回取り上げるのは、1923年9月の関東大震災の実写写真を用いた絵はがきです。

 東京の様子を写したものは、全て9月1日の日付が入っています。

関東大震災 東京関東大震災 東京

 横浜については、横浜市震災記念館発行の封筒入り絵はがきがございます。横浜市震災記念館とは、1924(大正13)年9月1日に横浜の北仲通に開館し、アジア太平洋戦争の激化を受けて閉館した博物館です。

関東大震災 横浜

 絵はがきは当時の様子を示す重要な史料であることにはたしかですが、写真や絵から何を読み取るか、という点に踏み込むと、厄介な問題に直面することになります。それら絵はがきは何を取り上げ、何を取り上げなかったのか、それゆえにどのような性質を持つ史料なのか、といった諸点が問題となるからです。とはいえ、それらを問うなかで、関東大震災がどのように記憶されてきたのかを再考する時期にきていると思われます。100年前に何が起きたのか、そしてその出来事を「関東大震災」としてどのように記憶してきたのでしょうか。今回紹介した絵はがきが、そうしたことを考える一助になれば幸いです。

小野坂


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昭和レトロな少女向け雑誌の付録やスクラップをお譲り頂きました!

昭和レトロが流行っていますね。見ていると、その時代が体現されていてタイムスリップしたような気持ちになります。
先日、レトロで可愛い昭和の少女向け雑誌の付録やスクラップをお譲り頂きました。


1950年代~1970年代のスタイル画やイラストのスクラップです。
マーガレット、フレンド、JOTOMO(女学生の友)に掲載されいていた高橋真琴、忠津洋子、細野みち子などのイラストが楽しめます。どのイラストも女の子の憧れが詰まっています。
幼い頃、母にねだって誕生日に少女漫画の雑誌を買ってもらたったことを思い出しました。
今の時代でいう右クリックでパソコンに保存するような感覚で、当時の女の子たちはスクラップをしていたのでしょうか。形は違えども、女の子の好きは変わらないなと感じます。


沢山のシールたちです。花や動物など様々なモーチーフがあります。箔押しの栞は色も鮮やかできれいです。なかには水森亜土のシールもありました。
私のお気に入りは、航空会社のロゴシールです。1991年に失くなってしまったパンナム航空会社のロゴがあり、その時代が映されています。
メールがまだない、お手紙文化の時に封筒や便箋に貼ってシールを使ったのでしょうか。古き良き時代を感じます。

他にも、望月あきらの『サインはV』のゆみちゃんが表紙の自由帳や『小学六年生』の昭和45年9月号の付録の手芸ブックなどもあります。活版印刷でとても味があります。

★☆★

くまねこ堂では、古本やDVD/CDの他にも、古道具や骨董品、アクセサリー、切手、万年筆、レコードや古いおもちゃなどなど、様々なお品物の買取も行っております。
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館ニュース、映画パンフレット~明治・大正・昭和のロマン溢れるモダンデザイン😎

本日は東京都世田谷区で出張買取にてお譲り頂いた商品の紹介となります🌟
お父様が新聞記者に努めていたとの事で芸能に関心が強い方だったのでしょうか🧐
戦前の舞台や映画のパンフレットや館ニュースのチラシなどを沢山頂きました!

モダンデザイン、映画パンフレット

モダンデザイン、映画パンフレット

昭和36年発行のお酒の専門誌も在りました🥰マイ故郷の秋田のお酒は選ばれていませんでした泣

カメラ、出張買取

日本酒に対する愛が伝わってきますな・・・🍶

モダンデザイン、映画パンフレット

左下に並んでいる「孤高のピアニスト」で有名な若かりし頃の梶原 完のコンサートチラシもございました!かこいい!😍

明治・大正・昭和の商業デザインはモダンデザインとして特徴があって今でも
ポスターやパッケージでレトロ感を引き立たせるために利用されることがありますよね😎

その他にはカメラも趣味で撮っていたそうで、マミヤ、ニコン、オリンパス等複数台、引き取らせていただきました✨📷カメラ、出張買取カメラ、出張買取

戦後のチラシは保存の状態や、コンテンツで買い取り金額が変わりますのでお持ちの方は是非当店へご連絡を!

くまねこ堂では、古本はもちろん切手や古銭、古道具、古いおもちゃ、美術品など幅広いジャンルのお品物を取り扱っております。個人のお客様はもちろん業者様からのご依頼も大歓迎でございます!ご処分ご整理でお困りのお客様は是非一度お電話やLINE、メールにてお気軽にご連絡下さいませ🤗

スタッフ一同ご依頼を心よりお待ちしております!

あさ


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片付け業者様からのご依頼で再び⚡千葉県鎌ケ谷市へ出張買取に伺いました!

以前千葉県鎌ケ谷市にて出張買取の依頼がございましたが、そちらの片付け業者様より再度のご依頼で、今回も鎌ケ谷市の方へ出張買取に伺いました!
今回のお宅はもう解体なさるということでしたので、多少なりとも片付け作業のお手伝いをと、買取できない本は紐でしばらせていただきました。

 今回も丁寧に見させていただき、様々買取できるものを選ばせていただきました。
物に関してはベネチアングラス・煎茶器・数珠・はがき・ファミコン・レトロゲームなど。古本も昭和の学習参考書や田中角栄の『日本列島改造論』、手塚治虫の文庫版マンガセットなどお譲りいただきました。

朝は雪が降るなど寒い一日でしたが、お呼びいただき、またお手伝いもしていただきありがとうございました!

煎茶器 豆鉄瓶 万博

 昭和の時代を生きた方々のお宅には必ずと言っていいほど万博グッズが、一つは見つかるように思います。それほどの大イベントであり大きなムーブメントだったのでしょう。
僕は岡本太郎やら丹下健三やらイサムノグチやらといった、あの1970年大阪万博に関わった時代の芸術家、建築家が好きなので、やはり万博グッズはちょっとしたものでも嬉しいものです。次回2025年に開かれる万博も楽しみですが、やはりこのEXPO’70というのは近代の伝説なのでしょう。

急須、豆鉄瓶など煎茶器もお値段付けさせていただきました。
またちょっと異国風な可愛らしい置物もお譲りいただきました。民族的な雰囲気があり、なかなか珍しいように思います。

ヴェネツィアン・グラス

 こちらも異国風、「ベネチアングラス」と呼ばれるものです。名前の通り、イタリアのヴェネツィアで作られるガラス工芸品です。「ヴェネツィアン・グラス」のご紹介です。
さらにこちら金彩のグラスとなっていて、丁寧な作りで非常に綺麗です。模様の部分が立体的になっているのが特徴ですが、高貴な印象とともに温かみが感じられます。
洋風建築の広いお部屋で暖炉にあたりながら、一癖ある赤ワインでも飲みたいですね。

ナショナルコンパクトテーブルステレオ

もちろん音楽も欠かせません。
世界観がめちゃくちゃですが、こちらは昭和レトロな雰囲気のあるナショナルのターンテーブルです。レコードは大きな再ブームの波に平成生まれの僕もしっかり乗りましたが、やはりレコードというのは良いものだなと思います。
古い物には温かみが感じられることが多いように思います。

ナショナルコンパクトテーブルステレオ

開いてみるとこんな感じです。チープさもありますが、そこがまた可愛らしいです。
調べてみると「ナショナルコンパクトテーブルステレオ」という名前でした。レコードプレイヤーは本格的なものになると、フォノイコライザーアンプやらなんやらと必要になるようですが、これ一台で、テーブルに置いて聴けるというのが当時の売りだったものと推測します。
それでも僕が最初に買った簡易的なプレーヤーや友達が持っているような物よりも大きいです。
しかしこっちの方がカッコいいのです。

ナショナルコンパクトテーブルステレオ

少し思い出してみると、この音量のつまみですら触れる機会が減っています。たまにラジオを聴くのですが、電波を受信しているという感覚は、チューニングといった身体的な作業で感じられるのだと思います。
こちらも左右で音量を調整できるのですが、そういった作業があって音楽を聴く姿勢になるといったことはあるのではないでしょうか。

ナショナル ロゴ

ナショナルはカタカナロゴがカッコいいです。よく見ると電気マーク(⚡)も入っています。

片付け業者様からの出張買取のご依頼も受け付けております!
一見価値のないように見える物から、古本はもちろんのこと、今回のように多種多様なものにお値段つけさせていただいております。
ぜひお声がけいただけると幸いです。

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小野


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片付け業者様からのご依頼で出張買取に伺いました!

 

 先日は度々お世話になっている、千葉県の片付け業者様よりリピートでのご依頼で、千葉県鎌ケ谷市へ出張買取に伺わせていただきました。
公共インフラの関係にお勤めだった方のお宅なのでしょうか、お仕事に関する賞状が多数壁にかかっていらっしゃいました。
 カップ&ソーサー・洋食器・ジュエリー・貴金属・切手・古銭・SEIKOのクオーツ時計・バーバリーの筆記用具・万博マーク入りの書道道具・レトロゲームなど、他にも様々なものをお譲り頂きました。

 今回は貴金属が何度か出てきましたので、計量してしっかりとお値段を付けさせていただきました。リピーター様で長くお付き合いさせていただいていますので、今回も丁寧に見させていただきました。お呼びいただきありがとうございました!

 では本日の買い取り品から二つほどご紹介させていただきます。一つ目は柿右衛門の花瓶です。柿右衛門は何度かお店にも入ってきたことがある品物だったと思いますが、やはりつい先月もお譲り頂いておりました。

法隆寺百万塔やお茶道具・柿右衛門などをお譲り頂きました🍵(2023年1月11日 くまねこ堂ブログ)

 

 とりあえずウィキペディアで調べてみます。酒井田柿右衛門は肥前国(佐賀県)有田の陶芸家で、初代は江戸時代から、代々子孫(あるいは後継者)が襲名する名称だそうです。その様式(柿右衛門様式)は濁手と呼ばれる乳白色の地に、大和絵的な花鳥図が暖色系の色彩で描かれるのが形式として特徴的です。余白も豊かで、柔らかい印象があります。
 では、本日お譲り頂いた柿右衛門の花瓶を見てみましょう。

柿右衛門の花瓶

改めて見ると確かに、柔らかい自然な美しさを感じます。白地の地肌に赤色の上絵は、作成が難しいと言われていますが、やはり組み合わせとして非常に映えています。これがまさに柿右衛門様式なのですね。この磁器の作風はまず日本で初代柿右衛門が確立したものです。後にヨーロッパに輸出されマイセン窯で模倣品が作られたり、磁器の発祥地である中国の景徳鎮窯にも影響を与え、やはり模倣され、さらにヨーロッパに輸出されたそうです。
 なんというかこう聞くと、誇り高き我らが柿右衛門でございます。そんな柿右衛門ですが中期と呼ばれる頃には技量が落ちてしまい、ついに七代目(18世紀前半)で技術を要する濁手(乳白色の地)の作品が途絶えてしまいます。時は流れ、十二代と十三代は1947年頃から濁手の復活を目標とし、ついに1953年にその復活作を発表しました。十三代はその功績により人間国宝になっております。

柿右衛門の花瓶

 カップ&ソーサーも様々ございましたが、今回はノリタケ製のJAL用のものが気に入ったのでご紹介させていただきます。

カップ&ソーサー JAL ノリタケ

スタッキングできるカップ&ソーサーもなかなか珍しいですが、機内用と考えるとこの機能性も愛せます。機能性と優雅さ、相いれない感覚の折衷として生まれたのがこれらなのです。

カップ&ソーサー JAL ノリタケ

JALものは好きで、昔JALスプーンを持っていました。失くしてしまいましたが。

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小野


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大学入試シーズンがやってきました|蛍雪時代付録のご紹介

 一月ほど前になりますが、先月の14、15日に2023年度大学入学共通テストが実施されました。
僕はとある私立大学の城下町のようなところに住んでいるのですが、昨日大学の前を通りかかると、もう入試準備のための厳戒態勢がひかれていました。受験生たちにとってはいよいよといった季節ですね。

なんだかんだと意見はあるものの、受験というものを乗り越えるのは、特にやることもなかった僕にはとても良い経験になったと、そのようにも思い出されます。
都心の中学受験の日程も、たしか2月のはじめ頃だったと思います。
お子様をお持ちの方は何かと気苦労の多い時期かと思いますが、まだ寒さもございますので、お身体にはお気を付けください。

共通テスト誌上公開模試

 今回ご紹介するのは「共通テスト誌上公開模試」でございます。こちらは大学受験生向けの月刊雑誌『蛍雪時代(旺文社)』の昭和54年7月号の付録です。昭和の時代の古い学習参考書を買取させていただくことも多いのですが、こういった受験関係の書籍はやたらとジャケがカッコいいです。
 ご覧ください、この表紙絵。合格を意味しているであろう細長い窓は狭く、その大きさによって様々な色が割り振られています。そこを目指している受験生を意味しているであろう、まだ手付かずな薄茶色の矢印はみな概ね一様に見えます。
 気になるのは左上、幅の広めな窓からはマットなグレーの光が見えるのです。これは楽に入れる大学には、灰色のキャンパスライフしか待っていないのだという、前時代的な思想もやや感じられます。もちろん大学受験にそういった側面は大きいですから、なんとも言えませんが。

共通テスト誌上公開模試

見開きページには誌上模試の概要が書いてあります。読んでみたところ、要旨じは以下の通りでした。

①ここに載っているのは昨年(昭和53年)10月の旺文社模試の問題である
②昨年その模試を受けた学生の点数と結局どこの大学に合格したのかが照合できる表がある
③それらは志望校決定の大きな手がかりとなるはずだからぜひご活用ください

②の表とはこんなものでした。

共通テスト誌上公開模試

 この席次一覧を見れば去年の合格者が、この模試で何点取っていたのかが分かるといったものでしょう。
僕自身は全く劣等の受験生でしたのでこんなものは気にしない、ただのデータじゃないかとあまりきちんと見ていなかったように思います。
 大学は北海道から始まっているので、最初は北大の校舎かと思いましたが、調べてみるとやはりというか東大の有名な本郷キャンパスの校舎でした。
でも北大と東大は校舎の雰囲気が似ているイメージがあり、土地柄でしょうか、どちらかというと北大の方が静謐な感じがして僕は好きです。なんとなくヨーロッパとかの大学っぽい雰囲気を感じるのです。

共通テスト誌上公開模試

共通テスト誌上公開模試

せっかくですので問題も少し見てみましょう。
懐かしいです。形式もあまり変わっていないように見えます。

共通テスト誌上公開模試

蛍雪時代から「蛍雪」という言葉の由来を引用して締めさせていただきます。

中国の晋の時代に、車胤(しゃいん)と孫康(そんこう)という二人の青年がいた。
二人は官吏を志望していたが、夜に本を読むための灯火の油を買うこともできないほど、共に家が貧しかった。
そこで車胤は、夏の夜に蛍を数十匹つかまえて絹の袋に入れ、蛍の光で本を読んで勉強し、孫康は冬の夜に窓辺に雪を積み上げて、雪の明かりで勉強し続けた。
二人の努力は報われて、のちに高級官吏に出世した。
この故事にある「蛍」と「雪」から、「蛍雪」という言葉が生まれた。 
(『晋書(車胤伝)』による)

引用元:語源由来辞典

煌々と明かりの灯った、オフィスビルのような予備校もいいですが、こういった景色もやはり無くならずに残ってほしいと勝手ながらに思います。
なにはともあれ、勉強できる時間があるというのは何にも代えがたいと、今になるとよく分かります。

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小野


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戦前の内容見本が入荷しました

 

日本動物図鑑今回も戦前の紙物のご紹介です。
『日本動物図鑑』は北隆館が大正期に出版したものですが、こちらはその内容見本になります。
「内容見本」という言葉、僕は知りませんでしたが、本の宣伝のための、その名の通り「内容の見本」とのことです。
どこか既視感があると思ったら、本屋の漫画コーナーで試し読みできるよう、こんなように冊子になっているものがありました。
しかしこの冊子は出張買取でお譲りいただいたものですので、あるいは配っていたのかもしれません。
当時は本は高価ですし、この本は作りからして同様にある程度のお金をかけられて作られたものだったと思われます。大事な買い物のために手の込んだこの内容見本が作られたのでしょう。

では早速中身の方も見ていきましょう。

日本動物図鑑

3段落目を抜粋します。

載録類数正に四千種、大なるは鯨、小なるはアメーバに至るまで海産陸産を問わずあらゆる動物を列挙して一種毎に挿絵対照の解説を付せる文献の上梓は本邦否全世界に於いて本書を以て真に其の嚆矢たりと言うも些の誇称ではない。

すごい自信でございます。なんだかテンションが上がって参りました。
後半は読点も打たず、畳みかけるような勢いにやられます。

日本動物図鑑

まずは挨拶程度の爬虫類でしょうか。
パラフィン紙に動物の名前が印字してあります。

日本動物図鑑

ひらりとめくると動物たちの姿をより鮮やかに楽しめます。
図鑑的に名前を知るという楽しみ方の他にも、子細に描かれたこの絵自体を、文字情報を除いて楽しむことができます。
図鑑と言うのはこうして改めて見ると楽しいものです。
固有名詞を覚えるのになぜか抵抗があるのですが、なんだか彼らはみんな良い名前でついつい覚えたくなってしまいます。子供の頃はあまり図鑑を楽しんだ記憶はありませんが、作りが良く心温まるこんな図鑑だったら今からでも楽しめそうです。

日本動物図鑑

「そへことば」なるものがございました。読んでみましょう。

博物分類学の泰斗と云われる「リンネ―」が嘗て書いたものの中に「名を知らねば、物が覚えられぬ」という文句がある。

こちらもまた良い一文というか、端的ながら説得力のある言葉です。
読み進めていきましょう。

日本動物図鑑

日付を確認すると大正十五年十一月とあります。
凡例の一つ目で「日本」動物図鑑であることが定義されています。

日本動物図鑑

いよいよ本文に入ります。記念すべき一番はさる、そしてうさぎこうもりと続きます。
うさぎこうもり。
そして4番がきびたき。聞いたことがありません。鳥の名前はなんだかイメージが湧きにくいというか、かなり難易度が高いです。
考えてみれば意外とあまりちゃんと見たこともなかったのかもしれません。

日本動物図鑑

あとと云わず―今直ぐ―一刻も早く申し込まれよ。

マーケティングの発展により、複雑になった現代の広告たちにぜひ見習って欲しい真っすぐな一文です。日本動物図鑑

もう少したっぷりとご紹介できれば良かったのですが、そうもいきませんのが残念です。
最後になりますが、こちら別冊付録なるものがついています。
本家とどういう分け方なのかは分かりませんが、なんだか「別冊」らしいこのお二方です。
どちらも忙しい人間界のことなどいざ知らず、といった表情ですね。

立春も過ぎ最近は暖かくなってまいりました。
先日世田谷のあたりを散歩していましたが、たまたま羽根木公園を通りかかりました。そこは梅の名所ということで、高台で景色も良く、咲き始めの梅を楽しめました。
日曜日の昼間だったので家族連れやカップルも多く、とても春らしさが感じられました。

お宅のご整理などにも良い時期が近づいているように思います。
内容見本だけでなく戦前のカタログなど、紙ものがあって片付かないという方は、ぜひくまねこ堂にお任せいただければと思います。

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戦前のカタログが入荷しました

戦前のカタログ

今回は先日お店の倉庫から見つかりました、ウェスティングハウスのカタログのご紹介です。
ウェスティングハウス社は19世紀の後半、エジソンと同時代の発明家、ジョージ・ウェスティングハウスがその発明を事業化したのが始まりだそうです。
エジソンといえば「電気」、そしてライバルのウェスティングハウスは「Westinghouse Electric Corporation」こちらも電気の会社だったわけです。小学生ならばみんな読むであろうエジソンの伝記漫画にも、電気がついたのを喜んでいた場面があったことを思い出します。
銀座高田商会は1897年にウェスティングハウス社の日本代理店になったそうです。当時の高田商会は兵器機械の輸入販売では業界トップ。1894年の日清戦争では軍需物資を扱い巨額の利益をあげ、97年にはあの八幡製鉄所建設の際の設備を納入するなどイケイケの状態です。
だからこそでしょうか、もう一度カタログを見てみると実に出来が良いのです。

戦前のカタログ

どことなくですが、この表紙絵からもそういった上昇気流のようなものが感じられなくもありません。
兵器機械商社としてはトップクラスだった高田商会が総合商社として業容を拡大していくのはちょうどこの頃だということからも、家電の輸入販売は新たな挑戦だったのだと思います。やはり感じてしかるべきでしたね、この燃え上がる赤い炎を。
この表紙の背景は炎という解釈で良いのでしょうか。いや、解釈は見た人の自由ですよね。

戦前のカタログ

 ぺらりと1枚中を開くと右手には『ジユニオル型電気料理窯』が大きく出てきます。表紙の1行目「Electrical Appliances & Ranges」という表記でレンジもアプライアンス(器具)に含めまれるだろうよと感じてしまいましたが、そうじゃなかったのです。「Ranges」とはいわゆる電子レンジのことではなく、「火口(ひぐち)の付いた、(天火のある)料理台」、つまりこの可愛らしい足つきコンロ兼オーブンシステムのことなのでしょう。しかも脚が猫脚です。猫脚家具について詳しくないのですが、この重力を感じさせないところに、ル・コルビジェ的な造形力を感じます。
 ル・コルビジェは確かピロティで重力に逆らうのだというような建築をしていたと思います。実際重厚なコンロやオーブンが乗っているため浮遊感を楽しめるであろう逸品かと思います。さらに上にタイマーがちょこんと乗っています。付属品欄に記載されている「時計仕掛自働スイッチ」でしょうか。これも含め絶妙なバランス感です。「定価」欄を見てみると白エナメルのほうが黒色より200円も高いのに驚きます。でもたしかにどうせジユニオル型を買うならやっぱり白エナメルですよね。

 90年代気分でもう少し見ていきましょう。と言っても1890年代なのです。しかしムードの流行というのは回るものでして、始めに「電気」というキーワードが出てきて、実際にこのカタログには電気製品ばかりです。

戦前のカタログ

どちらかというと1990年代のカルチャーの方が当然親しみがある筆者ですが、「電気」というワードにはなぜか反応してしまいます。
 90年代渋谷系音楽の筆頭ともいえるコーネリアスは雷のような電気マークをよく使用していますし、電気グルーブも「電気」です。あのバナナマンがカッコいいと思うコンビ名として挙げた「エレキコミック」、「エレキ=電気」です。僕はどれもたしかいにクールさみたいなものが感じられます。ポケモンでも電気タイプが妙に好きでした。
ただの好みかもしれませんが、なんとなくこういう感覚は分かる人もいるかと思います。
僕が言いたいのは「本当にクールなものは当時のような在り方でクールでなくても、クールであり続けるだろう」ということです。

戦前のカタログ

僕がアプライアンス部門で一番クールだと思うのは「電気コップ湯沸器」ですね。このなんともおっかない実験器具のような、これが日常に馴染んでいた時代の風景が観てみたくなりました。

戦前のカタログ

裏表紙も抜かりありません。
物作り、ひいては一つひとつの仕事というものを考えさられる貴重な冊子でした。

このような戦前のカタログなど古い冊子がございましたら、くまねこ堂へ御一報ください。この手の物は捨ててしまわれるかたも多く、店主はなんどか資源ゴミに出す予定の紙の束から救い出したとのことです。

戦前のカタログ

火の始末には引き続きお気をつけください

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古本とともに様々な物をお譲りいただきました!

 

 先日は東京都大田区へ古本の出張買取に伺いました。

以前のブログ(東京都大田区へ出張買取に伺いました)

 

 今回はこちらのお宅でお譲りいただいた本以外のお品物のご紹介です。

 本に関しては語学、言語学関係の専門書を多数お譲りいただきました。
本だけでも十分出張買取させていただける十分な量がございましたが、それ以外にも切手、中国の書道道具、鉄道模型、ギフト類など様々な物にお値段を付けさせていただきました。

中国でお仕事をされていた親族の方がいらっしゃったそうで、書道道具はそちらからのお土産物ではないかとのことでした。

中国の書道道具

  結構大量にお譲りいただきました。中身はこのようになっております。

中国の書道道具

中国の書道道具

 小学生の頃に家族旅行で中国に行った際、自分の名前のハンコを作ってもらったことがあります。お土産物ですので今見ると決して大したものではないのですが、当時は緑色の石に自分の名前が篆書体で彫られたその印鑑がとても気に入りました。
 それと同じように今回の書道具も、お土産物ですが、本物の骨董鑑賞とはまた違った楽しみがあるように感じられます。

 お次はなかなかこちらもお宅にあるというのは珍品に感じられました。ビリヤードの玉のご紹介です。

 

ビリヤードの四つ玉

 僕の母の世代なんかはビリヤードが流行っていたらしいですが、レトロブームみたいなものの一環なのでしょうか、僕は数年前大学生の頃よくビリヤードをして遊んでいました。

 三つしかありませんが四つ玉用のものだそうです。四つ玉、僕も小説で読んでやってみたいと思ったことがありました。しかし穴の空いていない四つ玉台というのはもうあまり残っていないらしく、結局見つかりませんでした。
 なんだかまたやってみたいような気持ちが沸き上がってくる、独特の魅力がビリヤードにはあるように感じられます。

 

 最後にまたまたまた木彫の熊たちのご紹介です。

木彫の熊

どちらもなんとも言えない気持ちにさせてくれる小物たちです。
 先日両親がとあるお寺にお参りに行ったと言って、木彫の牛の写真が送られてきました。写真を載せられないのが残念ですがこちらもなかなか親しみのある牛でございました。

 

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小野

 


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くまねこ堂 出張買取対応エリア

関東を中心に承っております。
詳しくは対応エリアをご確認ください。

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